ビッケブランカの歌詞への思い
繰り返されるサビの歌詞
ull come to me
街が騒ぎ始めた
ull ull ull by the way
もうすぐそこですもの
おもひでひとつ大人になって
去年のことは忘れませんか
悲しまないで少しだけ堪忍してよ
Please はる風catch me catch me
catch me catch me Oui
出典: ウララ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
この曲では3回サビが歌われるのですが、その全てで同じ歌詞が使われています。
これも昭和歌謡でよく使われていた手法でした。
ビッケブランカはあえて歌詞を変えないで歌っているのではないかと考えられます。
さらに歌詞の内容にも彼の思いが込められているようです。
彼はサビの「おもひで」と「はる風」という部分が気に入っているとインタビューで話していました。
「おもひで」は「おもいで」の古い書き方です。
ここではストレートに昭和をイメージさせるためにこうしたと思われます。
「はる風」というのは「はる」に幾つかの意味を与えるために平仮名にしたそうです。
歌詞の表記でこの手法をとっているこの部分は、「ウララ」の中では割と現代的な感じがしますね。
思われるほど
ほんとは器用じゃないので
きっときっときっとってやわな言葉で
そろそろ窓を放って
出典: ウララ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
ここでは不器用な主人公の弱気な気持ちが表現されています。
「ナタリー」のインタビュアーは「きっと〜」の部分が印象的だったそうです。
確かに「きっと」という言葉はあまり自信がないときに使うことが多いように思います。
普段使い慣れた言葉の本質を彼は弱さだと見抜きました。
彼は「昭和時代の歌詞の強さ」をテーマにしていました。
しかし本来はどちらかというと繊細な印象を私はもっていました。
もしかしたら繊細だからこそこだわりが「強く」なっているのかもしれませんね。
「わかるのでしょうか」に込められた昭和感
季節が立って 時季が経って
そしたらわかるのでしょうか
春らしく笑顔でまた逢いましょう
さよならです
出典: ウララ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
この部分もビッケブランカ自身が会心の出来だと話していました。
「でしょうか」という言葉が伊勢正三さんの歌詞のように書けたそうです。
伊勢さんに限らず、昭和時代の曲は末尾が丁寧語になることが多々あります。
さだまさしさんや井上陽水さんの歌詞などは分かりやすい例えかと思います。
その観点からこの歌詞を改めて見てみましょう。
「逢いましょう」や「さよならです」もこれを意識して書かれているようですね。
PVにも昭和の要素が!
ようこそ昭和ワールドへ
このPVは女性に振られてしまうところから始まります。
自暴自棄になっていたビッケブランカが服を脱ぎ捨て始めます。
そこに少し古いデザインのコートが落ちていました。
それを彼が着た瞬間から昭和ワールドが始まります。
ビッケブランカのイメージを具現化したPV
ビッケブランカはPVでも昭和を意識したかったそうです。
PV作成チームが彼のイメージを汲んでPVを作ってくれたとインタビューで話していました。
まず出演者の衣装をご覧ください。
1950〜60年代の流行ファッションを再現しています。
舞台となっている洋館や喫茶店も同様に昭和時代を思わせる作りになっています。
今でも老舗の喫茶店はこれと似た雰囲気がまだ残っていますね。
さらに昭和へのこだわりはダンスや動きにも取り入れられています。
まるでビッグバンドジャズの演奏をバックに踊っているようですね。
ビッケブランカの身振り手振りもどこか古臭さを感じさせます。
このように歌詞だけではなくPVでも「昭和」を強く意識していたことがわかりました。