五木ひろし「夜空」

五木ひろし「夜空」の歌詞に込められた意味とは...!?カラオケで歌う時のポイントも紹介します!の画像

1973年10月20日にリリースされたシングル

失恋の痛みを胸に抱えながら見上げる空。

冷たい風が吹く中で一人ぽつんと立っている姿を想像させる五木ひろし名曲「夜空」は、1973年にリリースされました。

”いいツキを拾う”という意味も込めてつけられた”五木ひろし”という芸名でデビューしたのが、1971年。

デビュー当時からすでに歌唱力はお墨付きで、デビューシングルの「よこはま・たそがれ」はオリコンチャート1位を獲得しています。

「夜空」は、五木ひろしが初めてレコード大賞を獲得した作品であり、この1973年はデビューからたった2年しかたっていませんが、五木ひろしのターニングポイントとなる年になりました。

この頃にリリースした「ふるさと」という楽曲も、第4回日本歌謡大賞放送音楽賞を受賞するなど、”賞レースの常連”としてその名をとどろかせたのです。

カップリングには、「テール・ランプ」が収録されています。

1973年の紅白では披露されなかった?!

日本レコード大賞を受賞しているのですから、もちろんその年の紅白歌合戦で披露されていると思いきや、当時「ふるさと」の方がヒットしているということで、披露されなかったんですね。

しかし、本人にとっても大切な楽曲であることは変わりありません。

デビュー35周年目の1999年、第50回紅白歌合戦でこの楽曲を歌ったのです。

そして、今年も「夜空」という楽曲が選ばれました。

2017年の大みそか、60代の締めくくりとして熱唱してくれることでしょう。

ちなみに、23歳の時に「よこはま・たそがれ」で紅白歌合戦に出場してから、フル出場を果たしている五木ひろしさん。全出場歌手の中で47回と最多出場者なんですよ。

「夜空」の歌詞を紐解いてみよう

あの子に逢いたい

あの娘 どこに居るのやら
星空の続く あの町あたりか
細い風の口笛が
恋の傷あとにしみる
あー あきらめた恋だから
なおさら 逢いたい 逢いたい
もう一度
夜は いつも 独りぼっち

出典: 夜空/作詞:山口洋子 作曲:平尾昌晃

別れてしまった後、一人ぼんやりと空を見上げている情景が目に浮かびますね。

関係を断ってしまった以上、何処に居るのかすらも分からず、主人公にとってはただ同じ空の下いるということだけが繋がっている証拠なんですね。

失恋をして心にぽっかりと空いた穴に、ピューと吹きすさぶ風が聞こえています。

”細い風の口笛”というのは、ピューと音のなる風のことでしょう。口笛という程ですから、すこし高い音をイメージできます。

このピューという音のなる風が起こるのは、ある物体に強い風が当たるときに起こるそうですよ。季節的には木枯らし一番を想像させますね。

冒頭の歌詞がとても名残惜しんでいるのは、この恋がフラれて終わった恋じゃないからだということが分かります。

どういう理由があったのかまでは語られていませんが、自分から身を引いたからこそ、諦めきれない気持ちが残っているのでしょう。

何事もチャレンジをせずに諦めてしまうと”チャレンジしていたら、もしかしたらうまくいっていたかも・・・”なんて期待をいつまでも持ち続けてしまいます。

”なおさら”という言葉が、どれほど後悔しているのかが分かりますね。

もう一度逢いたい。

その願いは叶えられず、たった一人あの娘と繋がっていられる夜空を眺めるしかない、切なさが溢れています。

一人の寂しさがこぼれだす

あの娘 帰っておいでと
流れ星に乗せ そっと呼んでみた
誰も 答えはしないよ
白い花が散るばかり
あー とどかない夢だから
なおさら 淋しい 淋しい
この胸よ
夜空 遠く 果てしない

出典: 夜空/作詞:山口洋子 作曲:平尾昌晃

夜空を眺めていると、時々流れ星が流れるのでしょう。

そんな流れ星に願うのは、2人の復縁。もう一度、逢いたいという想いです。

自分から諦めてしまった恋だから、大きな声で願うことはできませんが、それでも願わずにはいられない淋しさが表現されています。

そして、そんな願いが叶わないということも自分自身で気付いているのです。

ここで出てくる「白い花」が何を意味するのか正確にはわかりませんが、筆者は”雪”ではないかと思っています。

一人で夜空を眺めているときに、ちらちらと空から降ってくる白い雪。

寒い時こそ、人と触れ合いたい・温まりたいという想いが沸き上がってきませんか。

夜空は目に見えているのに、その雪が延々と降り続けることでより深い孤独を感じているのではないでしょうか。

世界中に一人きりしか存在しないような淋しさが、体中を巡っていることを感じますね。

「夜空」をカラオケでうまく歌うコツは?

リズムを意識してみよう

「夜空」は、五木ひろしのカラオケランキングで20位にランクインしています。

意外にランキングが低いなと思いましたが、実はこの曲歌うのがちょっと難しいんですよね。

サビまえにリズムが少し変わるために、リズムをきっちりととる必要があるんです。

リズムをとるときには、五木ひろしも行っているように拳でリズムをとってみると、タイミングが計りやすいですよ。

さらに物まねをしている雰囲気も出るので、人前で披露する時には喜ばれます!

また、メロディー自体はそれほど難しいとは言えないのですが、曲をうまく歌うには感情を込めることが大切です。

同じフレーズが続く「逢いたい」や「淋しい」は特に気持ちを込めて歌いましょう。