3年の月日を経て
österreich復活
「東京喰種トーキョーグール√A」の主題歌「無能」から3年。
österreichが再び帰ってきました。
人気アニメ「東京喰種トーキョーグール:re 最終章」の主題歌「楽園の君」。
österreichの復活にファンから喜びと感動の声が集まっています。
個性派österreich
「東京喰種」の物語を彩るその独特な世界観を打ち出した儚くも感動的な音楽。
抽象的で詩的な歌詞から感じるのは、悲しみに包まれた世界にどことなく香る優しさ。
運命に抗わんとする力強さ。
調和のない世界で戦う姿。
österreichだからこそ実現し得た表現がそこにはあります。
「東京喰種」にはなくてはならないほどの圧倒的な存在感。
österreich渾身の楽曲「楽園の君」の世界へ招待しましょう。
いびつな世界
österreichが描いた「東京喰種」の世界を歌詞から迫っていきましょう。
なお、10月12日現在、歌詞が公開されておりません。
その為、記事の中で引用している歌詞は全て耳コピによるものとなります。
誤りがある可能性がありますが、ご了承ください。
現実の重々しさ
弔いと呼吸満たした 雨の水槽をなぞった
誰かがその指先を 楽園だと言ってた
出典: 楽園の君/作詞:高橋國光 作曲:高橋國光
曲の冒頭から非常に抽象的なフレーズから始まります。
さっそく「楽園」について語られていますが、その意味するところは明かされていません。
しかし、「楽園だと言ってた」という言葉から「楽園」の存在とそれがないという事が示唆されています。
少なくとも、楽曲の主人公がいま生きてる世界は「楽園」ではないのだと。
そして、「楽園」を知らないのだということも。
いびつなまでに純粋な愛
目が覚めるともう
すれ違う地獄の窓でいつも
探しているよ 変わり果てた君を
出典: 楽園の君/作詞:高橋國光 作曲:高橋國光
こちらは2番のサビの後半に登場する歌詞です。
「地獄の窓」と表現しなければならないほどの悲劇的な状況下で「君」を探す。
どこまでも純粋な想い。
同時に「君」が変わり果ててしまってもいいんだ、という執着心が見え隠れします。
もし、自分の愛する人が全く別人のように変わってしまっていたら。
もうその人を愛せないと思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、この歌詞では「それでもいいんだ」という想いが描かれています。
これは限りなく純粋であると同時に少し歪んでしまっている愛の形なのではないか。
きっと、そうならざるを得ない現実があるのでしょう。
愛を語っているのにもかかわらず、こんなにも切なさとやるせなさが襲ってくる曲があるでしょうか。
胸が締め付けられる思いです。