和訳

“もう行かなくちゃ もう行かなくちゃ もう行くの

もう行かなくちゃ もう行かなくちゃ 私は行くわ

二人が愛したあの場所 この目に焼き付けるために”

タイトルでもある「I Gotta Go」が繰り返されます。

miletの切ない声が、今いる場所からどんどん遠くへと消えていくような風景を描き出します。

しかしなぜ彼女は“もう行かなくちゃ”と考えているのでしょうか。

それも「気持ちを切り替えて新天地へ!」というわけではなく、感傷に浸りながら二人の思い出の場所へと向かっていきます。

これは未練を断ち切るため、ではないでしょうか。

二人の思い出だった場所にお別れを告げようとしているのです。

どこで何を考えているのか

You’ll never know, never know, I’m thinking ’bout..
You’ll never know, never know, I’m thinking ’bout..
I’m thinking about the colour of your eyes

出典: I Gotta Go/作詞:milet 作曲:milet

和訳

“あなたには分からないよね 私が何を考えているのかなんて

あなたには知って欲しくない 私が何を考えているのかなんて

私はあなたの目の色を考えているの”

別々の道を歩き始めた二人。

彼は今、どこで何をしているのでしょう。

彼は今、どこで何を考えているのでしょう。

心の隅っこに主人公の居場所はまだ残っているのでしょうか。

かく言う主人公の方は、今も彼に思いを馳せています。

目が物語っていた

気になるのは最後の一文。

単に「目」ではなく「目の色」と表現しているところです。

怒りや驚きの表現に「目の色を変える」という言葉があります。

もしかしたら主人公は常に彼の顔色を伺っていたのかもしれません。

好きだからこそ襲われる不安も多々あります。

本当に私のことを愛してくれているのかな?と悩む夜もあるでしょう。

ましてや主人公は最愛の彼を自らの手で傷つけてしまったのです。

「なぜこんな私の側にいてくれるの?」と張り裂けるような心中だったのではないでしょうか。

常に彼のことを思っていたからこそ、変化にも気づくことができたのでしょう。

絶望に堕ちてしまった表情を、主人公は見逃しませんでした。

だから「別れ」の言葉にも驚かなかったのかもしれません。

答えは主人公のみぞ知る

最後に伝える 言葉にするから
忘れないように短く 優しく言わなきゃ
それじゃあ もう だめかな

出典: I Gotta Go/作詞:milet 作曲:milet

この歌詞は日本語で描かれています。

主人公は何を言おうとしているのでしょうか。

「好き」、「ありがとう」、「愛してる」…、思い浮かぶのはそんな言葉。

答えは知る由もありませんが、あえて描かないことでリスナーに想像の余地を与えているともいえます。

この曲を聴いて感じた二人の関係性に、それぞれの解釈を当てはめて表すことができるのです。

毎日が幸せの連続だった

I gotta go, I gotta go, I’m leaving now
I gotta go, I gotta go, I’m leaving now
こんなときにすら 思うのは
あなたが笑って歌う夜
つまずきながら踊る all night
メロディは誰も知らない

Ooh ooh…

出典: I Gotta Go/作詞:milet 作曲:milet

蘇ってくる思い出の日々。

思い出していることは、どこかへ旅行に行ったとかプレゼントを貰ったとか、そういったものではありません。

大きなイベントではなくても、毎日の些細な出来事が楽しかった。

そんな思いが、主人公の胸には残っています。

ハミングは彼がよく歌っていた歌なのでしょうか。

彼に思いを馳せながら、あの楽しかった夜にタイムスリップをしているように感じます。

I Gotta Go

最後のサビは一番、二番と同じ歌詞で締め括られます。

何度も強く繰り返してきた「I Gotta Go」という言葉。

未練を断ち切るために向かった思い出の場所に辿り着いたとき、何を思うでしょうか。

そこからが本当の意味で、彼女の新しい人生の始まりなのでしょう。

失ってしまうその前に

恋愛とは儚いものです。

あれだけ愛し合っていたとしても、いつか別れのときが訪れるかもしれません。

別れに至る理由も、それぞれの物語があるでしょう。

後悔をしなくていいように、裏切らなくていいように。

今は恋人との尊い時間を大切にしていきましょう。