バンドにとって外せない時期の楽曲「アニマロッサ」を振り返る
今回紹介するのはポルノグラフィティの「アニマロッサ」。
2009年11月25日にリリースされた彼らの29枚目のシングルです。
29枚目と言われるとその時点で凄まじい経歴のようにも思えますが、これも9年前のこと。
今はデビュー20周年も目前に、さらに成熟した姿を見せていますね。
そんな彼らの今を形作るにあたって、実はこの楽曲の時期が外せないんです。
そんなエピソードと共に、「アニマロッサ」の魅力に迫って参りましょう!
タイトルに込められた意味
「アニマロッサ」はイタリア語で「赤い魂」を表す言葉。
燃えるような情熱的なイメージを覚える単語ですね。
また一つの単語で「赤」「魂」という二つの言葉を含んでいるところに、日本語にはないロマンを感じます。
そしてイタリア人と言えば情熱的で、女性が大好きといった印象を持っている方も多いでしょう。
この曲にもそんなイタリアンな要素が如実に表現されていますよ!
タイトルが付けられた背景は定かではありませんが、当時の彼らの心理状態も無関係ではなさそうです。
バンドが10年目に迎えた変化
ポルノのイメージを形作った立役者
デビューシングル「アポロ」の予想を超えた大ヒットもあり、文句なしのスタートダッシュを成功させたこのバンド。
デビュー以来彼らの活躍を支え続けたのは、プロデューサーの本間昭光氏でした。
J-POP界の重鎮である氏。
ak.hommaというクレジットを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
バンドの印象からは少し意外ですが、ほとんどの曲が本間氏による作曲。
ポルノのイメージを形作った立役者と言って過言ではないでしょう。
本間氏の元を離れることに
そしてその後のポルノを決定づける岐路となったのが、デビューから10年を迎える2009年~2010年にかけての時期でした。
この時期からバンドは、本間氏の元を離れての楽曲制作を行うことになります。
というのも、メンバーの2人がそれぞれに「自分たちでしっかりと舵を取る感覚を味わう必要がある」と感じたことから。
「アニマロッサ」もそうですが、メンバーの岡野、新藤によるソングライティングが表立つようになります。
そして2010年には初の全て自身の作詞作曲によるアルバム「∠TRIGGER」をリリース。
生まれ変わろうとするバンドの姿を本格的に世に示したのでした。
楽曲内容に通じる心理状況
本間氏との制作を離れたバンドは自分たちの力不足も実感したことを語っています。
「アニマロッサ」の時期というのは、ある種焦りのようなものもあったのではないでしょうか。
その心理状況が自分たちを奮い立たせるような情熱的な楽曲内容に繋がっているように感じます。
そして今は結果的に、以前よりも音楽を楽しめている様子を覗かせる2人。
本間氏との制作を離れても楽曲のイメージの変化はそれほどなかったとも言います。
これは本間氏がポルノの意図する部分をしっかりと汲んでいたこと、そして自身でもそれを表現出来るように成長していたバンドを表すもの。
全てが良い方向に進んでいることを見ると、このときの決断が正しかったことは明白ですね。
和の美しさを表現したMV
2人の凛とした佇まいがなんともカッコイイですね!
勢いだけでは表せない「秘めたる熱さ」のようなものを感じさせます。