10位 CRUCIFY MY LOVE

1996年8月26日発売、15作目シングル

ピアノとストリングスだけでオケが構成された、とても美しい曲です。

歌詞がすべて英語で書かれているのも特徴的。

ToshIの歌声とYOSHIKIのピアノに、ただただ酔いしれてください!

この曲はX-JAPANの曲の中でも特に社会的・宗教的テーマ性を前面に押し出した異色作です。

同時代に起こったロス暴動に見られる根深い人種差別に対する絶望・嘆息をストレートに歌っています。

X-JAPANはロックバンドというには暗い曲が多いのですが、「CRUCIFY MY LOVE」はその中でも特に暗さが出ているでしょう。

差別される立場にある人を好きになってしまった辛さを懺悔として歌うという悲しく切ない一曲です。

9位 WEEK END

1990年4月21日発売、5作目シングル

テーマは「自殺」で、タイトルの「週末」には「(人生の)終末」がかけられています。

MVではなんとToshI以外の全員が死んでしまうという衝撃的な内容となっています!

X-JAPANの代表的なテーマは「自殺」ですが、本作や「紅」は特にそのテーマが前面に押し出されています。

背景にあるのが幼少期の頃のYOSHIKIの父の自殺であり、これがずっとトラウマになっていたのです。

張り裂けんばかりの自殺願望は当時心の闇を抱えていた人々の共感を呼び、大ヒットしました。

しかし、この曲がまさか後にX-JAPANにとって予言にして呪いの曲になるとは思いもしなかったでしょう。

8位 紅

1989年9月1日発売、3作目シングル(メジャー1作目)

X JAPAN(当時はX)の記念すべきメジャーデビューシングル

昨年末での紅白歌合戦でも演奏され、YOSHIKIのドラムプレイ復帰が話題になりました。

過去8回の紅白出場で3回この曲を演奏しているほど、彼らの代表曲の一つ。

ToshIの「クレナイだーっ!!!」の叫びがあまりにも有名です!

曲の構成がとても変則的で、AパートとBパートを2回繰り返し、その後間奏を入れてからサビに持っていきます。

普通この構成でやるとサビにつくまでが長すぎて冗長になりますが、メロディやテンポ非常に速く、歌詞も深いので全然飽きさせません。

また、この曲のサビは甲子園をはじめ高校野球の応援ソングとして用いられ、応援団のダンスとしても用いられます。

こちらも「自殺」をテーマに描いた作品で、「紅」というタイトルから生々しい血の色が連想されるでしょう。

7位 ENDLESS RAIN

1989年12月1日発売、4作目シングル

コンサートではファンと合唱する名曲です。

昨年6日間に渡り行った『X JAPAN WORLD TOUR 2017 WE ARE X Acoustic Special Miracle~奇跡の夜~6DAYS』では、この曲で涙を流していたYOSHIKIの姿がファンの感動を呼びました。

この曲はとにかく歌詞が過激で、「殺し続けて」「眠りは麻薬」といった物騒なワードが登場するのです。

これらは放送禁止用語に相当するため、NHKで演奏する際には「眠りは深く」と無難なワードに変更されました。

傷ついた心に降りすさぶ終わりなき雨滴の様がありありと連想される非常に興味深い一曲ではないでしょうか。

6位 DAHLIA

1996年2月26日発売、13作目シングル

HIDEの激しいギターYOSHIKIの狂ったドラムが素晴らしい、アップテンポでメロディアスなナンバーです。

過激なメロディは健在でありながら、同時にとても繊細で優しい歌詞が特徴的ではないでしょうか。

その証拠に「抱きしめる」という優しさを感じさせる言葉が歌詞の中に何度も登場します。

この曲は非常に難産だったそうで、完成までにとても時間がかかり、YOSHIKIは「大嫌い」と語っていたそうです。

それだけ時間をかけて作られたこともあり、メロディも歌詞も非常に洗練されています。