どんな曲?

全編アニメーション作品

【LUCK】のMVは最初から最後までアニメーションで製作されています。

80年代の洋楽を思わせる懐かしいサウンドと、これまたレトロなアニメーションが非常にマッチしています。

楽曲MV敢えて古い雰囲気を意識して作ったのでしょうね。

技術が進化してより鮮明な映像でMVを撮影する事が出来る様になった時代だからこそ、レトロな雰囲気が浮いて際立ちます。

この辺りのセンス、バランス感覚の良さをNulbarichは見せ付けてくれました。

彼らは特に10~20代の若い世代に支持されています。

若い層のファンにとってこのレトロで古い雰囲気は実は馴染みがなく、逆に新しく見えるのです。

それ以上の年齢層は懐かしみと親しみやすさを覚えるのではないでしょうか。

メルセデス・ベンツのCMソング

また、本曲は高級外車としてあまりにも有名な「メルセデス・ベンツ」のCMソングとして書き下ろされた楽曲です。

なので歌詞の内容も車に乗って旅をする様なイメージで描かれていますね。

MVのアニメーションは、ほとんど常に車の運転中の主観で描かれています。

フロントガラス越しにドライブを楽しんでいる気分になれるのではないでしょうか。

摩訶不思議な世界観でありながら、様々な手法を凝らし見る人を飽きさせない工夫がなされている【LUCK】のMV。

この映像で伝えたかったのは一体何なのでしょうか。

車の中から見える世界が表しているものとは?

疾走感溢れるMVを紐解いていきましょう。

旅の始まり

トンネルを走る

真っ暗な画面が明けると、トンネル壁面の証明に照らされて天使のキーホルダーが浮かび上がって来ました。

ゆったりとしたドライブなのでしょうね。

フロントミラーに括り付けられた天使のキーホルダーが静かに揺れています。

Nulbarichの文字と重なる天使。

Nulbarichバンドロゴには天使の羽が使われているので、それを表現したのでしょうね。

すごくオシャレで粋な演出です。

歌が始まると同時に画面は変わり、運転席の主観映像になります。

鉄製のひんやりとした壁がブルーに照らされていて美しいですね。

等間隔に並ぶ電灯と道路の白い破線。

ボーッといつまでも眺めて居られそうな気分になってくる程です。

このままのんびりとしたドライブが続くのかなと思ったのも束の間。

曲が何やら緊張感を孕んだ雰囲気になり、フロントガラス越しの景色がおどろおどろしい洞窟に変貌します。

壁には先程まであったLEDの蛍光灯の代わりに、古いお城にありそうな趣のある明かりが付いていますね。

天井には無数のコウモリまでぶら下がっています。

あまりにも非現実的な光景が広がっているにもかかわらず、主人公が取り乱している様な様子は一切ありません。

という事は、私たちが目にして感じているほど怖い場所ではないのかも知れませんね。

ここは一体どこなのでしょうか?

踊る人

洞窟を走り続けてしばらくすると、目の前に何やら怪しげな被り物を被った人物が現れました。

クネクネとした不思議なダンスには妙に目を惹く魅力があります。

車と同じ速度で移動しているこの人物。

もちろん猛ダッシュしている訳でも、何か乗り物に乗って付いて来ているのでもありません。

車と同じスピードを保ちながら、画面に張り付いた様にただ平然とダンスをしています。

主人公の想像の中の生き物なのでしょうか?

そしてこの人物はダンスの最中に被っていた白い布を脱ぎ去り、正体を顕にしました。

その正体はなんと、Nulbarichのマスコットキャラクターである「ナルバリくん」だったのです。

軽快なダンスを繰り広げるナルバリくんは車のフロントに飛び乗ると、2度手を叩きます。

すると今まで居た世界は形を崩し、新たな世界の形へと変貌を遂げるのでした。

もしかするとナルバリくんはこの不思議な世界の案内人の様な役割を担う人物なのかも知れませんね。

夢の箱

僕らを乗せて

手を伸ばす 遠くに
できるだけ遠くに
We never waited

出典: LUCK/作詞:Jeremy Quartus,Ryan Oct aviano 作曲:Jeremy Quartus

洞窟を抜け、違う世界に切り替わる辺りの歌詞です。

どこか違う次元に飛ばされている様に見えますね。

歌詞を見るに、主人公はもっと遠くへ行きたいと強く願っているようです。

メルセデス・ベンツのCMソングらしく、車を使う事で叶えられる夢を持っているのですね。

車中の物語