「殺せんせーションズ」のサビは「世間を驚愕させる事柄」を意味する「センセーション」が印象的な歌詞。
暗殺云々の前に、殺せんせーの存在自体がセンセーション過ぎな気も…。
暗殺というとなんだか暗い感じですが、殺せんせーの暗殺は違います。
皆でわいわい楽しみながら、楽しくやるものなのです。
あまりにも和気あいあいとしているので、E組に暗殺を依頼した国は気が気ではないでしょうが…。
もちろん、殺せんせーの暗殺は地球の存亡もかかっています。
E組の皆だってそれを忘れたわけではありません。
だから自分たちを変えてくれる、殺せんせーへの愛を暗殺という形で繰り出すのです。
少しここで注目したいのが、「地球」を「こころ」と読んでいる点です。
殺せんせーがいることで地球は危機に立たされているわけですが、殺せんせーの存在がE組を変えたのも事実。
今まで散々蔑まされてきたE組の生徒たちは、未来のことなんて考えられなかったでしょう。
しかし殺せんせーの暗殺が彼らの自尊心を高め、未来につなげてくれました。
つまり暗殺こそ、E組の皆の心を救ったのです。
暗殺によって成長するE組
地球の命運をかけた暗殺劇はまだまだ続きます。
殺せんせーによって前を向くことができたE組。
それでも、なかなか上手くいかないことがたくさんあります。
本校舎からの冷たい視線や、なかなか上がらない学力もあるでしょう。
しかし、そんな彼らを殺せんせーは決して見放しません。
それによってクラスの皆も、自分のペースで良いのだと受け入れ始めます。
出来なくても大丈夫!
言い訳で丸め込むより次のステージ探してみる情熱 グラデュエーション
奮い立て マイライフ
知らないまんまで暗黒設定 まだ焦んなくたって大器晩成
感性のままで いいんだぜ いざ向かえ!
出典: 殺せんせーションズ/作詞:Vandrythem 作曲:清水昭男
どんなに前向きになれたって、それだけで出来ることが増えるとは限りません。
結局のところ、変わったところで出来ないことって沢山あるのです。
今すぐ成績が上がるわけでもないですし、殺せんせーを暗殺できるわけでもない。
今まで絶望に打ちひしがれていたE組の彼らなら、言い訳をして終わってしまっていたでしょう。
しかし、今はそうではありません。
出来ないのならどうして出来ないのか、どうやったら出来るのかを考えようとします。
この前進を、「卒業」を意味する「グラデュエーション」で表現しているのではないでしょうか。
成長や経験不足から出来ないことがあって壁にぶつかっても、焦る必要はないと歌っています。
暗殺もそれと同じ。
未熟なら頭をこね繰り回すよりも、感覚とセンスで立ち向かった方が不意を突けるかもしれません。
暗殺という名の愛
このセンセーション ずっと 仰天したままでSay! Yeah!
見つめ合う間もないまま分かり合えるんです
このセンセーション ずっきゅん! と胸突き刺すテンポってすげー!
いつも精一杯の愛を込めて 狙っています
出典: 殺せんせーションズ/作詞:Vandrythem 作曲:清水昭男
殺せんせーはいつも超が付くほど高速移動しているので、見つめ合う時なんて1秒もありません。
ですが、それでもお互いを理解し合えるのです。
ある意味殺せんせーだから出来る芸当でしょう。
この一見ハチャメチャな教育方針は効果抜群で、愛の矢のようにE組の心をとらえます。
生徒側だって、この愛に対してただ受けっぱなしではない。
暗殺という形でその愛をお返ししようとしているのでしょう。
攻撃そのものはかわされてしまいますが、その気持ちは殺せんせーに届いている筈です!
殺せんせーのセンセーションズ
殺せんせーは暗殺対象としてはかなりの脅威ですが、歌詞ではそんなことを微塵も意識していません。
それどころか「愛」という境地に達しています。
「暗殺すること」から伝わる大切なことがあるからでしょう。
常人にはできない殺せんせーの凄さが、間奏後の歌詞からでも伝わってきます。
ロックオン
このセンセーション ずっとずっと 外せないLockを抱いて
出典: 殺せんせーションズ/作詞:Vandrythem 作曲:清水昭男
「Lock」とはカギや施錠を意味する英単語です。
しかし、今までの歌詞からすると単純に「外せないカギ」は合わないような気がします。
殺せんせーに愛を感じているのに、カギを外さないなんて心を閉ざしているかのようになってしまうでしょう。
恐らく、ここでの「Lock」は照準を合わせる「Lock on」に近いのではないでしょうか。
その照準先は勿論、殺せんせーの筈です。