巨大な自然災害の後に茫然自失としてしまうのは人間の自然な反応です

東日本大震災の直後では精神科医でさえ自身の心に不調をきたしたそう。

藤原基央は精神科医でなくても大災害後のPTSDの兆候を捉えきっています。

阪神淡路大震災のPTSDを扱った「兆候・記憶・外傷 中井久夫 みすず書房」という書物を開いてください。

「Smile」の歌詞と似た症例を見いだせるはずです。

未曾有の大きな災害の後で日本中が喪失感に襲われました

復興の掛け声こそ大きいものの遅々として進みません。

被災地への有形無形の差別意識も問題でしょう。

そんな日々の中で私が壊れてしまった。

壊れた自分をケアしてくれるのは精神科医だけでなく自分こそが主役です。

自分こそが自分の人生の主役であることの再確認のために鏡の中を「探す」。

「探す」という行為は失くしたものを再構築するためにとても大切な行為です

再構築のための最初の手段が「探す」という行為。

まずどこを「探す」べきかを「Smile」は教えてくれます。

まずは鏡の中で自分を「探す」

自立している自信を取り戻さないと自分の再構築はできません。

「探す」ことで心というパーツを見つけてきちんと確認できたら鏡の中から抜け出してください。

本当に再構築しなければならない現実が待っています。

とはいえ決してひとりで何でもやろうとは思わないでください。

大震災と歌と人と

私たちをつないだものは何か

BUMP OF CHICKEN【Smile】歌詞を徹底解説!あなたの味方は誰?…答えは鏡の中にある?の画像

眠れない夜を共にした避難所の人々が一緒に歌ったのは坂本九の「上を向いて歩こう」

あるいはクイーンの「手をとりあって」。

非常時に歌は必要ないと被災地から少し遠い東京で自粛しても災害が起きた場所で歌は力になりました

BUMP OF CHICKENの「Smile」は義援金を約7000万円計上します

物質的にも被災地の人々の力になりました。

しかし何よりも被災地の人々を励ましたのはそのメンタリティーではないでしょうか。

藤原基央が丹念に紡いだ言葉が被災者の心の棘を抜きます。

「どうして自分が生き残ってしまったのだろう」

大震災の後に訪れる生き残ったことへの「申し訳ない」という想い。

PTSDの基本的な症例をこの歌「Smile」ほどに解きほぐしてくれる歌詞を持つ楽曲はないです。

911のときに音楽は自粛した方がいいのではと悩んだ音楽家・坂本龍一の心をほどいた曲。

セントラル・パークで黒人のストリート・シンガーが歌ったジョン・レノンの「イマジン」。

歌や音楽の力は侮れません

大災害時だけでなく日常でも私たちは音楽に助けられることがあります。

些細なストレスの解消であっても私たちは音楽を聴くことで疲れた自身を癒すでしょう。

音楽は古代の祭式の中から生まれました

音楽は生まれたそのときから祈りとともにあります

BUMP OF CHICKENの「Smile」に通底するのも祈りです

厳粛ですがとても柔らかい触感の祈りがここで響いています。

今も避難生活を贈っている人々や尚も仮設住宅で暮らす方々へ。

不慮の事故で家族・友人・恋人を亡くして自身が崩れ去りそうなすべての人へこの曲が届くことを祈ります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEで振り返るBUMP OF CHICKEN

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