川中演歌の世界
しあわせ演歌、夫婦演歌をテーマにたくさんのファンを魅了する川中美幸。
彼女の歌うしあわせ演歌とはいったいどんなものなのでしょうか。
川中美幸の歌の世界をのぞいてみましょう。
しあわせと夫婦を歌う
音楽は、作詞家、作曲家、そして演奏者と歌手の魂が込められて聞き手に届けられます。
川中美幸の歌う演歌の世界には、聞くひとを元気にするエッセンスが込められているように感じます。
パワフルでハートフル。
ただうまい歌手ではなく、どんと聞くひとの胸に響いて暖かく広がるようなイメージです。
川中美幸の歌う「夫婦演歌」「しあわせ演歌」の世界は、彼女にしか歌えない演歌として新ジャンルを築いています。
二輪草ってどんな植物?
この歌の主題となっている「二輪草」はどんな植物なのでしょうか。
植物の二輪草についてみてみましょう。
仲良し夫婦のような花
二輪草は春先に花をつけるキンポウゲ科の多年草です。
一本の茎から途中で花茎が二股にわかれ、それぞれに可憐な白い花を咲かせます。
二つついた花のうち片方は、少し小さなサイズです。
ひとつの茎から別れた、大小の花が寄り添うさまはまさに仲の良い夫婦のようです。
呼び合って
あなた おまえ
呼んで 呼ばれて 寄り添って
やさしくわたしを いたわって…
好きで一緒になった仲
喧嘩したって 背中あわせのぬくもりが
かようふたりは ふたりは 二輪草
出典: 二輪草/作詞:水木かおる 作曲:弦哲也
あなた、おまえと呼び合う夫婦の様子から読み取れる関係をみていきましょう。
寄り添うふたり
名前を呼び合う関係は、ふたりが親しい間柄であることを感じさせます。
「あなた」「おまえ」は名前ではありません。
しかし、お互いにとってそれぞれがかけがえない相手であると感じる呼び方です。
お互いを呼び合いながら、いたわりあう仲睦まじい夫婦の光景が自然と浮かんできます。
ぬくもりが途切れないふたり
ひとが複数よれば、いさかいは避けられません。
どんなに仲の良い夫婦でも喧嘩をしてしまうことはあるでしょう。
人間ですから、どんなに大切な相手であっても感情の行き違いは生まれます。
喧嘩をし、顔を背けあっていても背中からぬくもりが伝わるというのはどういう意味でしょうか。
喧嘩には大きく二種類があります。
別れにつながる喧嘩と、より絆が深まる喧嘩です。
この歌の主人公のふたりは、思わず喧嘩をしてしまったけれどお互いを思いあっています。
感情が抑えられず爆発してしまったけれど、しまったなあ。
でも、許してくれるよなあ。
そんな夫婦共通の想いがしっとりと伝わってきます。