ダンスロックナンバーで熱く踊れる夜の本気ダンス

今回ご紹介する『Take it back』は、京都で結成された4ピースバンド夜の本気ダンス』の曲です。

他に類を見ない、踊れるロックなダンスチューンでミュージックシーンを盛り上げています。

バンドの特徴をざっと挙げると下記のような感じです。

  • ストレートに想いを届けるボーカル
  • リスナーを揺さぶる切れ味の鋭いギター
  • 安定感がありテクニカルなリズム隊
  • ポップでキャッチーなメロディ
  • メッセージ性の強い歌詞

これらを武器にオーディエンスを沸かせる彼らは、もはやフェスライブでは欠かせない存在となっています。

今回はそんな彼らの3rdアルバムからのリードトラックを解説しようと思います。

この曲もまた、ライブで盛り上がること間違いなしのアッパーチューンですよ。

3rdアルバム『Fetish』からのリードトラック

渾身の3rdアルバム『Fetish』

夜の本気ダンス【Take it back】MVの内容を徹底解説!理不尽なんか本気ダンスで吹き飛ばせ!の画像

夜の本気ダンス 3rd Album「Fetish」2019.6.5 Release

上記のサイトにこのアルバムに込められたメッセージが掲載されています。

メジャー三作目となる今作は、まさに音楽的なフェティシズムの塊のような作品に仕上がっています。

万人に満遍なく染み渡るとかではなく、一人一人それぞれに深く染み込んでいくような楽曲群。

それでいて聴いていると自然と身体は踊り出してしまうダンサブルなグルーヴ。

夜の本気ダンスが得意とする、ロックとダンスを高次元で融合した世界観は必聴です!

リードトラック『Take it back』

夜の本気ダンス【Take it back】MVの内容を徹底解説!理不尽なんか本気ダンスで吹き飛ばせ!の画像

そんな渾身のアルバムからのリードトラック『Take it back』

夜の本気ダンスが得意とするロックでダンサブルなアッパーチューンとなっています。

聴いているだけで身体が動いてしまうのは彼らだからこそ成せる技ですね。

一見すると真っ直ぐでロックなダンスナンバーですが、実はしっかりとしたテーマがベースにあるのです。

今回はこの曲に込められたメッセージについて、ミュージックビデオから紐解いてみようと思います!

やり場のないフラストレーション

深夜残業、上司の圧力、理不尽な日々

サラリーマン風の男性が一人オフィスで激務に追われる姿から曲が始まります。

真っ暗な部屋、乱れた髪、必死な表情などから切羽詰まった状況が見て取れますね。

そんな中、女性社員とのひとときを終えて現れる上司。

悪意に満ちた表情で、さらに大量の仕事を押し付けてきます。

追い討ちをかけられても断るに断れない状況…。

形は違えど、誰でも似たような状況は経験があるのではないでしょうか。

例えば、下記のような状況があると思います。

  • 上司や権力からの圧力
  • いくら不満があっても言えないという理不尽
  • 耐えて、飲み込んで、こなすしかない現実
  • この努力が報われることはないという悲壮感
  • 助けを求めたとしても決して救われないという閉塞感
  • 繰り返され、内向きに溜まり続けるやり場のない怒りや不満

などなど。

それらを見事に表現したシーンとなっています。

誰しも抱える日々の鬱屈

フラストレーション ハイパールサンチマン
オーバードライブがトランキライザー
つんのめった頭の中ぶっ壊してニューロマンサー

出典: Take it back/作詞:米田貴紀 作曲:夜の本気ダンス

溜まりに溜まった欲求がとてつもなく大きな恨みとなり、日々増大していきます。

脳をフル回転させ続けず、回転数を落としてただただこなすことだけが唯一の精神安定方法でした。

そんな前のめり状態の脳はもう崩壊寸前で、SF小説のような非現実だと思わないとやっていけない

これに近い思いや不満は誰しもが抱えていると思います。

『今生きているこの状況は現実ではなく、夢だったらいいのに。』

そんなことを思いながら日々を過ごし、ドンドン鬱屈して溜まっていく毒のようなものです。

それらが心身をじわじわ蝕んでいっているという状況をダンスビートに乗せて歌われています。

理不尽からの解放