否定も肯定もしない世界

この曲では、繰り返される理不尽に鬱屈した世界において、それらを否定しているわけではありません。

そういう世界は認めた上で、その中でどうやって楽しく生き、どうやって自分を解放するか。

そういうことに主題を置いているのです。

全編がオフィスを舞台に撮影され、その中でダンスバンド演奏、取っ組み合いが演じられます。

まさに日常と非日常が交錯する世界観です。

理不尽に押さえつけられてないで、踊るくらいの勢いで相手にぶつかって行こうという気概。

自分らしさを守って、言われるがまま流されていてないで前を向いて進もうという激励。

現実を否定するわけではなく、肯定するわけでもないんです。

ただ、おかしいと指摘して本来の自分らしさを取り戻そうというメッセージが感じ取れますね。

1コーラス目が終わった後(1:22あたり)に流れるショートコントでそれが伺えます。

ボーカルがサラリーマン風の男性に入れ替わったことを面白おかしく訴えています。

ボーカルが米田さんとは別人じゃないかと。

現実を不動の現実として受け入れず、おかしいことはおかしいと自分から発信しようという表現です。

そうした重たいメッセージをアッパーチューンに乗せてコント風に伝えられるのは夜ダンならではですね。

踊って自分を解き放て!

だからとて、現実はそんな簡単にいくわけではありません。

ミュージックビデオでも、現実と妄想の部分が交錯しながら進行します。

男性は上司を殴り倒す寸前で踊りに転じたり、冷たい視線を向ける女性社員と笑顔で踊ったり。

どこまでが現実で、どこからが妄想なのか判断が付かない状況が展開しています。

実際にその判断が付かないのは危険ではありますが、ここではその狭間で揺れる心理描写の表れですね。

今この場を打開するにはどうしたらいいのか、どうすればおかしいと上司に言えるのかという葛藤。

そうした葛藤を超え、行動を起こした先に自分を解放することができるという意味が込められています。

ミュージックビデオでは、その辺りを全てダンス』という平和的な表現で表しているのが夜ダンらしいですね。

そして最後には、女性社員と笑顔で踊り、自分で自由を掴み取るという描写で曲が終わります。

とても清々しいハッピーエンドですね。

冒頭の鬱屈した世界から妄想を経て最後は綺麗に締め括る、非常に後味のいいミュージックビデオです。

『Take it back=取り戻せ』

自分を取り戻せと連呼する強烈なメッセージ

現実を批判するだけじゃなく、それを現実にするために行動しよう!

夢を語るだけではなく、妄想を撃ち抜いて、圧政から自分を解き放とう!

取り戻すんだ!

We're gonna take it back!

そういう強いメッセージを繰り返し繰り返し叫び続けるこの曲。

オフィス内のシーンのみで構成され、広い世界を見せないことで閉鎖的な社会を絶妙に風刺しています。

権力を振りかざし、マウントを取って理不尽を強制してくる今の日本の風潮に一石を投じていますね。

テーマとしては結構重い内容をベースとしています。

ですが、そう感じさせないのはこの楽曲のチカラであり、このバンドのチカラに他なりません。

ただただなんとなく曲を聴いただけではノリノリなダンスチューンで終わってしまいます。

ですが、歌詞とミュージックビデオを観ながら聴くと込められたメッセージ性に気付けると思います。

今回はそういった曲の解釈の一例をご紹介しました。

まとめ

夜の本気ダンス【Take it back】MVの内容を徹底解説!理不尽なんか本気ダンスで吹き飛ばせ!の画像

ただのロックバンドじゃない、夜の本気ダンス

英語のように日本語を歌っているので歌詞が聴き取りにくいところもあります。

楽曲によっては、似たような音感の日本語と英語が交互に出てくる部分もあります。

だからこそ、歌詞カードを読み込んで、ミュージックビデオをじっくり見てその世界に浸る。

そうすることで見えてくる世界があるんです。

約4分という時間に詰め込まれたメッセージ、届きましたか?

人によって様々な解釈があると思いますので、是非ご自身なりの解釈を見つけてください。

そうすると、曲やバンドに対する思いも変わってきますよ。

【ご紹介】夜の本気ダンスのプロフィール

一風変わったバンド名夜の本気ダンス

踊れるロックにこだわって楽曲をリリースし続ける彼らのプロフィール記事です。

社会を風刺し、しっかりとしたメッセージを包含しつつも、それを感じさせないポップでキャッチーな楽曲

他にもいい曲がたくさんあり、そういった曲が紹介されています。

この記事で少しでも夜ダンに興味を持っていただけたなら是非ご一読ください!

「夜の本気ダンス」という名前を皆さんは聞いたことがありますか?個性的なバンド名を持つ彼らは、話題のドラマの主題歌を務めたバンドとして今大注目の存在です。圧倒的に踊れるダンスロックを奏でる夜の本気ダンスについて紹介します。