「Rubbish Heap」

イントロのシンセ風のサウンドに「おや?」っとなります。

続くサウンドはアグレッシブそのものですが、ギターのリズムが軽快な為に絶妙なノリを作り出しています。

この曲もライブで生の演奏を聴いてみたいですね。

中間から後半にかけての盛り上がりが気持ちよく暴れさせてくれそうです。

「赫」

前の2曲が激しかったせいもあってか、雰囲気を変えて綺麗系できました。

透明感のあるアルペジオがいい雰囲気を作っています。

全体を通して爽やかな印象。

そして久しぶりにメロディーをたっぷり聴かせてくれるギターソロがあります。

「Values of Madness」

フックの効いたギターサウンドと、シンプルながらメロディーを感じさせるリズムがとても優秀。

楽器隊は時に優しささえ感じさせる部分があるのに、そこに京のスクリームが冴えまくるのです。

この対比のなかに、何かしらの狂気(Madness)を感じずにはいられません。

ある意味ちょっとポップな雰囲気も併せ持つ楽曲といえそうです。

「Downfall」

グルーブ感溢れるパートから一転、畳み掛けるように疾走するパートへの対比が楽しい楽曲です。

堕ちていくようなギターパートは一度聴いたら頭から離れません。

ノリの良さと聴きやすさを併せ持つアレンジです。

全13曲の全貌を徹底解説します!(後編)

DIR EN GREY【The Insulated World】全13曲の全貌を徹底解説します!の画像

9曲目の「Downfall」を過ぎると雰囲気がガラッと変わります。

ここまではアップテンポな楽曲で畳み掛けるように進行していました。

ここからは暗く、深い世界へと没入していきます。

「Followers」

ムーディーでしっとりと聴かせる1曲。

京のクリーンボイスが堪能できるのも魅力といえそうですね。

前半のツインギターならではのハーモニーとそれに絡むベースラインが美麗です。

ギターソロからだんだんと盛り上がっていくところが聴きどころではないでしょうか。

しっかりと余韻を残して次の曲へと続きます。

「谿壑の欲」

読みは「けいがくのよく」。

尽きることのない欲望のことです。

静かなところはもっとも暗く重いパート。

そして、アグレッシブなところはどこまでも突き抜けて過激なパートを構築します。

激しいパートは突如現れて、瞬く間に過ぎていきます。

つまりは、ものすごい落差を持った楽曲ということ。

イントロの雰囲気は冷気すら感じてしまいます。

美しく、寂しく消え入るようなラストに「もうちょっと聴いていたい」という欲が出てしまいました。

「絶縁体」

非常にドラマチックな曲展開を持っています。

このアルバムは全体的に良い意味でコンパクトにまとめれられた楽曲が多いですね。

その中にあっては唯一の大作という位置付けといっていいでしょう。

前半部の京の低音で歌い上げるパートが特に胸に響きます。実に艶のある歌声だと感じました。

そこから叩きつけるようなリズム、盛り上がってサビに突入するとそこには美しい世界が広がっています。

彼ららしい魅力がひととおり詰め込まれているというか、充実感が素晴らしい!

約7分という尺を感じさせません。

「Ranunculus」

ピアノとストリングスがアレンジのスパイスとなっています。

そしてその後にやってくるのは分厚いサウンドの壁。

隙間を与えることなく繰り出される音の圧迫がとても気持ちいい。

アルバムを締めくくるのに相応しい存在感で、聴いた後も余韻が残りまくりです。