井上小百合と伊藤万理華のユニット曲が話題

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乃木坂46の15枚目のシングル「裸足でSummer」が発売されたのは2016年7月27日のこと。乃木坂46シングルには毎回、映像特典としてメンバー個人のPVが収録されていますが、このシングルには収録されていません。

乃木坂46のシングルに個人PVが収録されなかったのは、8枚目のシングル以来です。そして代わりに収録されていたのが、初回版Type-Dに入っている「行くあてのない僕たち」

この楽曲井上小百合と伊藤万理華によるユニット曲ですが、この2人を主役にしたショートムービー「行くあてのない僕たち」がファンの間で話題になっているのです。その理由は、2年前のあるショートムービーの続きが描かれているからです。

未来を描いた物語

初回版Type-Dにしか入っていないこのショートムービー、実はある作品の続きだと言われています。それは、2年前に発売された10枚目のシングルのアンダー曲「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」

こちらは「櫻の園」をオマージュした作品となっていて、湯浅弘章監督が手がけていますが、この監督は他にも乃木坂46のショートムービーを多く手がけていることでも知られています。

中でも、西野七瀬と若月佑美を主役にした3部作のショートムービー「無口なライオン」「天体望遠鏡」「インスタントカメラ」はファンの間でも有名です。

物語に込められた思い

監督を務めた湯浅弘章さんは、初めに「行くあてのない僕たち」の話を聞いた時点では、伊藤万理華と井上小百合のドキュメンタリーを撮ることを想定していたようです。

しかし万理華が監督と話をし、選抜から外れたという現実を描くよりも、今の自分たちをもっと別の形で表現したいという要望がありました。つまり今回の作品は、万理華の熱い想いによって完成されたとも言えるのです。

そのため、ショートムービーはドキュメンタリーではなく、「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」の続編として作り上げられたわけですね。また、物語で描かれる人物の状況が、2年前の「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」に似ていた、という、軌跡のような偶然も起こっているのです。

続編として作られた「行くあてのない僕たち」

「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」は、ある高校の演劇部を描いた物語となっています。

最終学年を迎えた井上小百合と伊藤万理華は、主役を切望していたにもかかわらず『永遠の楽園』という演目で裏方に任命されてしまいます。

そして、主役を務めるのは何と、後輩である齋藤飛鳥。しかし飛鳥は、万理華がどれほどの思いを主役に寄せていたかを知ってしまったことでプレッシャーを感じ、舞台稽古から逃げ出してしまうという展開です。

 「行くあてのない僕たち」がこのショートムービーの続きだと言われる理由は、2年後のメンバーの状況にあります。

主役を任された飛鳥は、「裸足でSummer」ではセンターを務め、裏方に回された万理華と小百合はアンダーメンバーを務めているのです。

物語と現実がリンクする

続編では、万理華と小百合が高校卒業後にそれぞれの道に向かって歩き出す姿が描かれています。万理華はプロの演劇の道を目指し、小百合は大学で演劇を続けるという違いはあれど、どちらも自分の夢に向かって進みながらもがいていくわけですね。

映し出されるメンバーの現実

そして乃木坂46を取り巻く状況も、2年前とは大きく変わっています。個人の活動が増え、中でも伊藤万理華は芸術面で、井上小百合は舞台で活躍していますから、ファンにとっては現実の2人と重ね合わせて見ることができる名作となっているのです。

さらにつながる物語

「行くあてのない僕たち/乃木坂46」は「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」の続き!?今作の魅力にせまる!の画像

「行くあてのない僕たち」では、万理華と小百合が卒業した高校へ向かうシーンが描かれ、そこに後輩として、寺田蘭世と渡辺みり愛が登場します。

2年後の姿を予感

この2人「裸足でSummer」のアンダー曲「シークレットグラフィティー」のフロントメンバーに抜擢されているのですが、2年前の「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」当時はまだ研究生で、楽曲にも参加していませんでした。

そんな2人が2年の時を経て、「シークレットグラフィティー」に抜擢され、「行くあてのない僕たち」にも登場しているというところも、現実世界とリンクしている不思議な箇所です。

作品を通して見える、現実とのリンクが、この作品が名作だと言われる理由なのでしょう。