別れの季節の象徴「卒業」
卒業は若い人達にとって大きな節目となる瞬間です。
別れと旅立ち。寂しさや切なさを感じた人も多くいるかと思います。
多くのミュージシャンもその思いが強く残っているのかもしれません。
というのも古くから卒業をテーマにした曲が多く作られてきたからです。
松任谷(荒井)由美さんの「卒業写真」。
尾崎豊さんの「卒業」。
2000年代ではAKB48の「365日の紙飛行機」も旅立ちの歌として知られていますね。
斎藤由貴さんの「卒業」も1980年代を代表する卒業ソングでした。
斉藤由貴さんの「卒業」について
彼女にとってデビュー曲
「卒業」は1985年2月に発売されました。
斉藤由貴さんは2018年現在、女優としてのイメージが強いかもしれません。
しかし彼女は歌手としても長年活躍しています。
そんな斉藤さんが歌手デビューを果たしたのが「卒業」だったのです。
当時19歳だった彼女はまだ少女のようなあどけなさを残していました。
そして透明感のある歌声も人気のきっかけの一つだったのかもしれません。
この曲で彼女は大ブレイクします。
さらに女優としてのキャリアも同年にスタートしました。
同時期に女優としても開花
作詞、作曲は当時のヒットメーカー達!
"Mr.昭和歌謡"筒美京平さん
斉藤由貴さんはデビュー前から業界内で期待されていたようです。
それは「卒業」の作詞、作曲を担当された人達を見ても分かることでしょう。
作曲を担当されたのは筒美京平さん。
彼は1960年代から活動を始め、昭和時代のヒットソングを多く手がけていました。
ビッグバンドを起用して海外のポップソングを日本の音楽に持ち込んだ筒美さん。
「昭和歌謡」というものが纏っている空気を作り出したといっても過言ではないでしょう。
"アイドル請負人"松本隆さん
作詞を担当されたのは松本隆さんです。
彼は「はっぴいえんど」でドラマーとして活動後、作詞家に転向しました。
そして1970年代から現在に至るまで作詞家として多くの曲に携わっています。
特に1980年代の彼は多くのアイドルソングを手がけていました。
松田聖子さんや近藤真彦さん、薬師丸ひろ子さんの楽曲などが有名ですね。
そして彼の作詞した曲は、ことごとくヒットしたのです。
後にゴールデンコンビと呼ばれる二人
筒美京平さんと松本隆さんは1980年代を中心に夥しい数の楽曲を共作していました。
その数は350曲を超えるほどです。
近藤真彦さんの「スニーカーぶる〜す」や太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」。
代表曲を挙げたら枚挙に暇がありません。
次第に世間は彼らの事を「ゴールデンコンビ」と呼ぶようになったそうです。
今回紹介する斉藤由貴さんの「卒業」は、そんな最高の布陣で制作された曲でした。
それでは次章からはこの曲の歌詞について見ていきましょう。