一人 彷徨ってあなたに想い募らせる度
時が止まるのはなぜ?
キスして もう一度
嘘でもいい
出典: Helpless Rain/作詞:おちまさと 作曲:shinya
降りしきる雨のように、心の中には「あなた」への想いがどんどん募っていきます。
主人公の時間は「あなた」と別れたときから止まったまま。
過去に戻ることも叶わず、そこから先に進むこともできません。
嘘でもいい、幻でもいいからもう一度「あなた」に会いたいという主人公の悲痛な心の叫び。
止まったはずの時間にも降り続ける雨。
それはただ、主人公に無情に降り注ぐだけです。
絶望と希望の狭間で
絶望と希望 永遠に揺れる
現実と夢 幻…
あなたなしで今 生きられない
助けて…涙
出典: Helpless Rain/作詞:おちまさと 作曲:shinya
もう戻ることはできない、願いも叶わない。
「現実」にあるのは絶望です。
でも、もしかしたらまた「あなた」は私の前に現れるかもしれない。
その手のぬくもりをまた感じられる日が来るかもしれない。
少しの光とも呼べる希望を胸に、主人公はその狭間でもがいています。
もしかしたらいまの主人公には「現実」と「夢」の区別もあやふやになってしまっているかもしれません。
無謀にも思える希望にすがることしか、いまの主人公には選択肢がないのです。
降り続けるのは涙の雨
止まない雨はない、なんてよくいう慰めの言葉もいまの彼女には届かないでしょう。
悲しみの雨はいつか止んだとしても彼女の心の中には涙の雨が降り続けています。
悲しみの雨に誘われた涙はまだ、降り止むことを知りません。
どうすることもできない無力さを嘆いた涙の雨。
いつになったらその雨は止むのか。
雨は主人公に「夢」ではない「現実」を気づかせてくれるのでしょうか。
助けてくれるのは「あなた」でもなく、他の誰でもない。
自ら希望の光を重く曇った空から見つけだすことができなければ、主人公の心が晴れることはないのかもしれません。
【Helpless Rain】の別の顔
カップリングにも注目
作詞に放送作家として有名なおちまさとを迎えたことでも話題になった【Helpless Rain】。
カップリング曲には【Helpless Rain(But I'm fallin' too deep)】という別バージョンが収録されています。
注目すべきはその参加アーティスト。
いまでは音楽界を牽引するm-floのVERBAL。
そして姉妹ラッパーHeartsdalesがフィーチャーされ、HipHop色の濃いクールな仕上がりになっています。
デビュー前からの恩師shinya作曲の切ないメロディーラインと、トラックにのるVERBALとHeartsdalesのリリック。
中島美嘉の歌声と溶け合い融合される、まさに至高のリミックス曲です。
HEARTSDALES「Helpless Game」
「Helpless Rain(But I'm fallin' too deep)」、さらに進化した楽曲も聴くことができます。
HEARTSDALESのリミックスアルバム「Heart Attack!~The Remixes&Video Clips~」中に収録されている【Helpless Game (夜のファミレス remix)】。
【Helpless Rain】の歌詞はすべてVERVAL、HEARTSDALES、中島美嘉によって一新。
パート分けも大きく変化し、クレジットの作曲部分にも3組の名前が連なっています。
気になる歌詞の内容は男女の友情から芽生えた恋心と、その中で揺れる微妙な関係。
気づいてしまったらもう止められない想いが綴られています。
紡がれるリリックから繋がるドラマティックで繊細なメロディー。
【Helpless Rain】はジャパニーズR&Bの醍醐味を体感できる1曲として生まれ変わっています。
姉妹ラッパーHEARTSDALES。
ASAYANのオーディションから華々しく登場したことが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?
このリミックスアルバムではDOUBLEやSOUL'd OUT、AIなど豪華な顔ぶれとの共演も果たされています。
どの楽曲も聴きごたえ十分です。
残念ながらHEARTSDALESは2006年に活動を休止していますが、残された楽曲はいつまでも輝きを放ち私たちを楽しませてくれます。
最後に
最後に、雨にまつわる名曲をご紹介して終わりたいと思います。
雨をテーマにした楽曲は数多く、その情景からはさまざまな感情が生まれていくもの。
時代は変わっても普遍的な雨の存在。
時には冷たく、時には温かく降りそそぐ雨を感じられる名曲たちです。
今回は中島美嘉にも少し所以のある雨の楽曲をセレクトしてみました。
徳永英明【レイニーブルー】
『徳永英明/レイニー ブルー』の誕生秘話が意外すぎる!?何年たっても色褪せない名曲を徹底解剖! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
柔らかい質感の歌声が特徴的な徳永英明。バラードソングを多く手掛けるシンガーソングライターとして、日本では知名度が高いです。そんな徳永英明の代表曲の一つである『レイニーブルー』は今聞いてもしっくりとくる、時代を感じさせないナンバーです。今回は『レイニーブルー』にスポットを当て、誕生秘話などをまとめます。