楽曲「RESISTANCE」
ミニアルバム『RESISTANCE』収録
中島美嘉さんの楽曲「RESISTANCE」は2002年11月に発売された同名のアルバムに収録されています。
「RESISTANCE」を含めて新曲は3曲のみだった為、フルアルバムではなくミニアルバムという扱いです。
そしてこの楽曲は、ミニアルバムの表題曲にもなっていました。
心地の良い綺麗なサウンドに中島さんの儚い歌声が重なり、楽曲の切なさがより際立っています。
スーッと耳に入り込みやすいメロディーでありながらも、歌詞の内容は悲しみで溢れているのです。
心の奥に潜む闇に向き合っている歌詞なので、人々が生きていく上で避けては通れない葛藤のようにも思えます。
"こんなはずじゃなかった…"
そんな気持ちがグルグルと永遠に巡っているような感覚です。
もしかしたら負のループから抜け出せずにいることを諦めかけているのかもしれません。
でもそんなときに差し込む一筋の光…それは思いもよらぬ人の支えによるものだったりします。
間違えていることに気づきながらも抜け出せなかった自分に新たな道を教えてくれるのです。
だからこそ間違いに立ち向かう勇気をもらえます。
楽曲の大半は切ない言葉で埋め尽くされている「RESISTANCE」ですが、その全てが悲しい結末とは限りません。
虚しさから抜け出せない人もいれば、勇気を持って一歩を踏み出す人もいるでしょう。
みんなが心の中で同じ想いを抱えているけれど、結末を変えるのは自分次第…。
切ない歌詞の裏側にはこんなメッセージが込められているように感じました。
リリースからおよそ3年後に再ブレイク
ドラマ『翼の折れた天使たち』の主題歌
『翼の折れた天使たち』は2006年と2007年にそれぞれスペシャルドラマとして放送されました。
ケータイ小説の先駆者Yoshiさんによる短編小説が原作となっています。
4つのストーリーにはそれぞれ女性の主人公がいて、彼女たちは様々な闇を抱えているのです。
そこから周りの人と関わっていくうちに"本当の愛"に気づいていく物語になっています。
心の中では馬鹿にしていた素直な愛情は、実は彼女たちが一番欲しかったものだったのです。
このストーリーと「RESISTANCE」の世界観はぴったり!
まるで書き下ろし作品なのではないかと思うほどでした。
ここからも分かるように、歌詞に描かれているのは決してフィクションではないということ。
心の闇の中は抱えている本人にしか分かりません。
でも、こうなんじゃないかな?と糸口を見つけるきっかけが少しでも増えれば息苦しさからは解き放たれます。
ここからは「RESISTANCE」の歌詞に隠された救いの手を紐解いていきましょう。
「RESISTANCE」の歌詞を考察
天使が羽を失っていく
白い天使の羽根が
はらはら落ちて
降り積もってく
Cry! 不実な街と犠牲の日々に
打ちひしがれて
今 嘆きのKISSを…
出典: RESISTANCE/作詞:秋元康 作曲:長岡成貢
ここでの"天使"とは純粋無垢な心を表しているのではないかと思いました。
毎日理不尽な世界に揉まれていくうちに、心がどんどんすり減っていきます。
天使に無くてはならない羽根が落ちていく様子と心の中がリンクしているようです。
自分で選んだ道かもしれないけれど、望んだ結果では無かった…。
我慢すればいいのだろうか?と自問自答する日々です。
自由とは何か?
眠ればすぐ朝が来る
それは恐い自由の国
愚かな優しさだけが
儚い道を残してた
出典: RESISTANCE/作詞:秋元康 作曲:長岡成貢
朝が来れば、また同じ苦痛の毎日がやってきてしまいます。
楽しいことは時間があっという間に過ぎてしまうけれど、嫌なことは時間が長く感じるのです。
自由に選択できる世の中なのに、選択した先は縛られてばかりの世界。
これは本当に自由と呼べるものなのでしょうか。
反抗心を秘めながらも行動できずにいる様子が切ない歌詞です。