はじめに
今回は「Acid Black Cherry」の「1954LOVE/HATE」をご紹介します!
この曲はへヴィで退廃的かつダークなムードの曲調が印象に残りますね。
流れるようなメロディーとyasuの歌声が、歌詞に示された葛藤を写しているように響きます。
そして、効果音的に配置されたノイズが世界観の異常性を表しているようです。
このキシキシいう感じがたまりません。
という人(私)は、ちょっと変かもしれませんが。
「1954 LOVE/HATE」について
アルバム「Q.E.D.」に収録
「1954 LOVE/HATE」は、アルバム「Q.E.D.」に収録されています。
このアルバムは「Acid Black Cherry」にとって2枚目のアルバムでした。
前作「BLACK LIST」の好評価を超える為に「人は人を裁けるのか?」というコンセプトで制作が進められました。
このテーマは(おそらく)、人の罪は本来なら神様が裁いてくれたら公平なのにという前提があるのです。
人に裁かせることにより神様の仕事が減ったかどうかはわかりませんが、悲劇を生んでしまったのも事実。
非常に難解なテーマに挑戦したといえるのではないでしょうか。
そして、そのコンセプトに沿ってフィクションのストーリー制作されています。
この曲の歌詞はその中に登場する真犯人の目線で書かれているのです。
CDリリースは3タイプ
CDリリースは3タイプあります。
シングル曲「20+∞Century Boys」から「優しい嘘」までのPVなどを収録したDVDが付属するAタイプ。
ライブ映像を収録したDVDが付属するBタイプ。
通常盤とされるCタイプ。
Cタイプには初回限定版としてブックレットが付属していました。
こちらは現在は入手が難しいようですね。
このブックレットには、前述のストーリーの解説と追加のストーリーが掲載されています。
アルバム「Q.E.D」の世界観について
ストーリーの概要
「Q.E.D.」のストーリーについて軽く触れたいと思います。
時代は1954年、ある若い女性が自宅マンションで殺害されていた事件から始まります。
その殺人事件は残虐な手口で行われ、異常な現場を残していました。
ナイフによる刺し傷は急所を外し、注射器のようなもので血液を抜き取り殺害したというのです。
被害者が聖母マリアを模した姿で発見されたことなどから「ブラックマリア事件」と名付けられます。
地元で有名な警察官とFBI捜査官の一方的ではあるが競争とも取れる捜査。
模倣犯といえなくもない関連しない殺人事件など世間を巻き込み事件が進行していきます。
そして、この事件はある青年が逮捕されることによりいくつかの疑問を残しやや強引に収束させられてしまうのでした。
このような異常な真犯人にはどのような心理がはたらいているのでしょうか?
歌詞解釈!(前編)
異常な雰囲気の現場
立ち込み過ぎた煙 冷めた甘いミルクティー
シワだらけの赤いシーツ 垂れ流しのサディスティック
絡みついた金髪(ブロンド) ノイズ混じりのクラッシック
点滅した光る電球(ライト) 潰れた黒いリップスティック
出典: 1954 LOVE/HATE/作詞:林保徳 作曲:林保徳
ここのパートは、犯行現場の描写であることがわかります。
異様な雰囲気をほのめかしていますが、どのような出来事なのかは想像するしかありません。
被害にあった女性がブロンドヘアーであること、クラシック音楽がかかっていたことがわかります。
ノイズ混じりなのはレコードの針が飛んで、同じところを繰り返していたから。
黒い潰れた口紅はこの事件にとってキーワードのひとつです。
とても怪しい雰囲気を醸し出していますね。
真犯人の告白?!
脱ぎ捨てられたドレスはベルベット 裏向きピカソのフェイク
流れた涙に溶けるアイライン 壁に書かれたメッセージ
”早く私を捕まえてくれ これ以上罪を犯す前に
黒い衝動が止まらない もう自分を抑えきれない”
出典: 1954 LOVE/HATE/作詞:林保徳 作曲:林保徳