マカロニえんぴつ「レモンパイ」を解説!
あなたには友だち以上、恋人未満の存在はいるでしょうか。
ぱっと思い浮かぶ相手がいる方にぴったりなのが、マカロニえんぴつ「レモンパイ」!
どちらかというアップルパイのほうが好きという方もいらっしゃるかもしれません。
同じ果物でも、なぜリンゴではないのか、気になるところですね。
ただ、この曲ではおいしいスイーツのことが具体的に語られているわけではありません。
つまりタイトルは何かの例えです。
一体どのような意味が隠されているのでしょうか。
また恋人未満の存在との関係性も含めて、じっくり歌詞を解説します。
1番の歌詞をチェック
遠慮がある間柄
ふざけ切って我に返る
鶴は千年、馬鹿は残念
安らかなロクデナシの午後だ
どうせ何百回も
会いに行く支度する
迷惑だったりする?
出典: レモンパイ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
男性のギター&ボーカルはっとりさんが描く歌物語は、主人公が女性の場合もあります。
ただ、この曲については男性の心理がそのままストレートに語られていると考えればいいでしょう。
「亀は万年」と続かないところにすべてが表れているといっても過言ではない冒頭の部分です。
実際にはピュアな心を持ち合わせていて照れ隠しだったりするのでしょうが、男性はおちゃらけがち。
女性からの呼び出しに心を躍らせている様子が伝わってきます。
出かける準備だけでもう嬉しくてたまらなくなっているのでしょう。
何を差し置いても、ぴょんぴょん飛び跳ねながら駆けつけそうな勢いです。
そこまで盛り上がったうえで、少し冷静に相手の立場に立って考えました。
男性自身は会えると考えただけで興奮するほど楽しくなるわけですが、女性も同じ気持ちとは限らない状態です。
つまり恋人同士ではないということ。
さらに何の気兼ねもなく頻繁に会う友だちでもないことがわかります。
まだお互いに遠慮があるような間柄。
さて、これから2人はどのような関係になっていくのでしょうか。
始まったばかり
ふざけ合って家に帰る
僕はまだちゃんと君をしらない
これ恋かもね、
そうだとしたらどうなんだ
きっと神さまだって
気付いていないのです
出典: レモンパイ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
男女が2人で会ったら、もうデート!
思わず応援したくなるほどの初々しさが感じられるのではないでしょうか。
冗談を言い合うだけで楽しい様子。
お互いに会話のキャッチボールをおもしろがっているみたいなので、もしかしたら両想いかもしれません。
ところが男性はまだ彼女に対して恋愛感情を抱いているのかどうかさえ、はっきりとは自覚していません。
いや、これほどワクワクしているのだから、どう考えても男性は女性のことが好きでしょう。
そう思われますが、2人の関係はまだ始まったばかりなのでとまどっていると考えられます。
もしかしたら女性も男性のことが好きかもしれませんが、女性もその気持ちに気づいていないほどの初期段階。
こうした男性の希望的観測にはどのような変化がもたらされるでしょうか。
タイトルは何の例え?
ときめきと欲求の違い
君に触りたい
揺れながら
少し悲しいキスをしたい
夜の長さに飽きたのだ
甘くて残したレモンパイ
出典: レモンパイ/作詞:はっとり 作曲:はっとり
注目したいポイントがたくさん盛り込まれたサビです。
まず、これまでの歌詞は男性による照れ隠しの冗談だったとわかります。
なぜならあまりにも突然ストレートに欲望混じりの愛情が吐露されるから。
恋愛初期において、女性は少女漫画で描かれるようなドキドキ感をメインに意識するものではないでしょうか。
具体的にどうしたいこうしたいという願望よりも、ときめく感情で精一杯になりがち。
ところが男性の場合はそのドキドキ感が何であるかよりも、女性に何かをしたいという欲求が先走るようです。
ここまでは男性、女性それぞれに共感しやすい話ではないかと思われます。
悲しいキスをしたい理由
ただ、この曲の主人公は少々謎めいた欲望を抱いているようです。
嬉しいはずの口づけを飾るのは、どちらかというとネガティブな形容詞。
なぜわざわざ楽しくない口づけをしたいのか、疑問が沸き起こりますね。
そしてタイトルの登場もこれまでの歌詞の流れからすると、驚かされる急展開になるでしょう。
もうデートは終わり、男性は帰宅しているので、夜食にスイーツを食べたのかもしれません。
そうだとしてもなぜここで歌詞に表れるのか、タイトルになっているのか。
その答えは何かの例えだからです。
では何の例えかというと「恋心」くらいがちょうどいいかもしれません。
グイッと核心を突くなら「欲望」。
しかし、せっかくかわいらしいスイーツに例えられているので、甘酸っぱい路線でいきましょう。
要するに、男性は女性に対する恋心を少し抑えたわけです。
なぜなら実際に口づけをするとネガティブな展開になる恐れがあるから。
それでも男性は望んでいるわけです。