Sano ibuki「決戦前夜」
戦いの前に
今回ご紹介するのはSano ibukiによる楽曲「決戦前夜」です。
この楽曲ではタイトルからも分かる通り、何かとの戦いへ向かう前の気持ちが書かれています。
果たしてその戦いとは一体何を表しているのでしょうか。
そして最終的に歌詞の主人公が至った気持ちとは一体。
「決戦前夜」のMVはこちら
まず、「決戦前夜」のMVをご紹介します。
印象的なのは、場所を変えながらもそれぞれの場所で飄々と歌うSano ibuki本人の姿。
表情に変化はありませんが、私たちにエモーショナルさを感じさせる立ち居振る舞いです。
この楽曲を作った本人だからこそ見えている風景があるのでしょう。
全体的に陰影が濃く、映像の質感にこだわっているのが伝わってきます。
MVを見ればこの楽曲を読み解くのにも、役立つことでしょう。
決戦へと向かう
戦いの地へ
始まりの合図が聞こえた 瞼の向こう側で
おはよう 目を開けてほら
世界が回り出す 決戦の地へと 行こう
出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki
1行目の「始まり」という言葉が表しているものとは何なのでしょう。
2行目の「おはよう」という言葉から汲み取るとすれば、これは1日における「始まり」を意味しているのでしょうか。
朝になって世の中が動き出し、街は活気に溢れる。
その音を聞いて目を覚ませば自分にとっての1日も始まります。
1日の「始まり」から彼は戦いの地へと向かうようです。
彼にとっての戦いというのは一体何のことを表しているのでしょうか。
不器用でも前へ
なんにもない景色で何かを探し始めた
答えも知らないまま
下手な歩幅で進めている
出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki
街を歩けばいろいろな景色が見えます。
しかしそこに自分にとって必要なものが無ければそれは何もないのと同じです。
主人公にとっての何もないというのはそのことを指しているのでしょう。
2行目から彼は自身が必要としているものさえ分かっていないことが分かります。
しかし何も分からなくても彼は前へ進もうとしているのです。
躊躇いながら前に出される足。
ゆっくりに見えるその歩幅でも、確実に前へと進んでいます。
人生に道標はない
人々は彷徨う
みんな ひとりぼっちで
透明な道で迷っている
飛べない僕は途方に暮れて
それでも 夜は明けるんだ
出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki
人間は皆、自分自身の道を進まなければいけません。
そこには明確な答えもなければ誰かが都合よく教えてくれることもないのです。
2行目の「透明」という言葉は人生に道標がないことを教えてくれています。
そして、主人公はその中でも一段と人生という迷路にはまっているのでしょう。
自分の人生について考えて途方に暮れながらも、日々は進んでいく。
皆に平等に朝が来るということに、ある種の救いを感じているのでしょう。