「IT'S A WONDERFUL WORLD」収録
「LOVEはじめました」は2002年リリースの10thアルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」に収録されています。
3曲目に「Dear wonderful world」、一番最後に「It's a wonderful world」というタイトルの楽曲があります。
その中の歌詞に「醜くも美しい世界」というワードがあります。
ですので「wonderful world」というのは「醜くも美しい世界」という意味が込められているのではないでしょうか。
このアルバムはボーカルの桜井さん本人も語っているように全体的に前向きな楽曲が多いアルバムです。
「蘇生」や「君が好き」「優しい歌」などが収録されていることからそれがわかります。
そんなアルバムの中、異色を放つ楽曲「LOVEはじめました」。
楽曲全体的にダークな雰囲気ですし、音は無機質な打ち込みがほとんどです。
ボーカルもエフェクトがかかっており不快感さえ味わう人もいるかも知れません。
それは「醜い世界」の部分を描き出している楽曲だからなのでしょう。
裏ミスチル
一般的には爽やかで優しい楽曲が多いイメージのミスチルですがダークな楽曲もたくさんあります。
破壊的なもの、社会風刺的なものから、エロスなもの、
とにかくなんだかヘンテコな楽曲などがあります。
筆者は勝手に裏ミスチルと呼んでいます。
「LOVEはじめました」が好きな人ならこのあたりの楽曲も好きだと思います。
ですのですこしだけご紹介したいと思います。
社会風刺ミスチル
我は思想を持たぬ愚連隊です
若きこの世の雑草です
団塊の世代が産んだ愛の結晶は
今日もwalking in the street
子供らはたんこぶ作らず遊び
隣に習えの教養を
植え付けられて顔色を見て
利口なふり利口なふり利口なふりをするが
やがて矛盾を知り苦悩したり試行錯誤する
出典: so let's get truth/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
「so let's get truth」の歌詞の一部です。
「団塊の世代」とは戦後1947から49年に生まれた人たちのことです。
ちょうど桜井さんのご両親あたりがこの世代に当たることから、
「団塊の世代が生んだ愛の結晶」とは自分達の世代のことを指しているのでしょう。
そんな時代に感じたことを歌っています。
愛する一人娘の為に
良かれと思う事はやってきた
"教育ママ"と 近所に呼ばれても
結構 家庭円満な この18年間
でも you
娘は学校 フケて デートクラブ
で 家に帰りゃ また おりこうさん Uh…
可憐な少女 演じてる
出典: everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿/小林武史
「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」の歌詞の一部です。
これをシングルでリリースしたから驚きです。
一人娘の母親からの視点の歌詞はほとんどないので新鮮ですが、
なんともあり得そうで報われない歌詞ですね。
ヘンテコミスチル
さぁ見てみろよ今や世紀末は遠い過去の話だ
そもそもキリスト教に僕はなんの信仰もない
罰当たりと言われてもクジラやイルカの肉も食べる
悲しみも 憎しみも 愛しさも 優しさも いやらしさも
食べるよ 食べるよ 食べるよ
だから胃袋よ あぁ僕の胃袋よ
もっと強靭たれ もっと貪欲たれ
なんだって飲み込んで なんだって消化して
全部 エネルギーに変えてしまおう
出典: 友とコーヒーと嘘と胃袋/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI
「友とコーヒーと嘘と胃袋」の歌詞の一部です。
筆者的にはこれがミスチルの中で一番ヘンテコな楽曲だと思います。
曲調もしかり、歌詞もタイトルも桜井さんにしか絶対かけないものです。
歌い方も癖があり、つい何度も聴きたくなるスルメ曲です。
トンネルを抜けると
次のトンネルの入り口で
果てしない闇も 永遠の光も
ないって近頃は思う
だから
「自分のせいと思わない」
とか言ってないでやってみな
出典: 天頂バス/作詞:KAZUTOSHI SAKURAI 作曲:KAZUTOSHI SAKURAI
「天頂バス」の歌詞の一部です。
「果てしない闇」などないという歌詞はよくありますが、
「永遠の光もない」もないと言っているところが筆者は好きです。
安っぽい希望だけを持たせようとしないところが桜井さんらしい気がします。
歌詞はこのようにそれほどヘンテコではないのですが、曲調がとにかくヘンテコです。
急に転調しますし、打ち込みぽい音も入っています。
これも完全なるスルメ曲と言っていいでしょう。
ライブの破壊力
実はライブで比較的高確率で演奏されている「LOVEはじめました」。
このライブでの破壊力が音源と比にならないぐらい凄いのです。
楽曲や歌のアレンジがライブによって異なりますし、桜井さんの狂ったような歌い方が凄いです。
ライブでしか味わうことができない臨場感があります。
特にオープニングで演奏された
「MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 "I ♥ U" 〜FINAL IN TOKYO DOME〜」の人気が高いです。
筆者個人的には
「Mr.Children DOME TOUR 2009 〜SUPERMARKET FANTASY〜 IN TOKYO DOME」が印象深いです。
「LOVEはじめました」から「MONSTER」の流れが素晴らしいです。
狂気さえ感じるほどのパフォーマンスなのです。
そしてアレンジから歌声まで全てがかっこいいのです。
ぜひライブDVDでも観てみてください!