And if you wanna leave take good care
Hope you have a lot of nice things to wear
A lot of nice things turn bad out there

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

彼は強がって最後の意地をみせています。

どんな言葉を彼女に投げかけたのでしょう。

それでももし君が僕のもとを去りたいというのなら止めはしないよ
体に気を付けて
君が沢山の素敵な洋服を手に入れることを願っている
でもこれだけは言っておくよ 
沢山の素敵な物もそのうち悪い物に変わってしまうってことを

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

別れたいならどうぞ、僕は後は追わないよという精一杯の意地を感じます。

そして彼女の体を気遣い、更には明るい未来を願ってあげる彼は一体どういう気持ちなのでしょうか。

余裕を見せているようですが、本当は無理をしていることが手に取るようににわかります。

なぜなら次のフレーズは、彼女にとって耳にしたくないことだからです。

随分サッパリした彼だなと思っていると...。

世の中、君が思うほどそんなに甘い世界じゃないよと、ちょっぴり意地悪ともとれる言葉を投げかけているではありませんか。

この1文から彼の複雑な心情が読み取れます。

彼女への悔しさが捨て台詞になって、夢見る彼女の未来を打ち砕こうとしているようにも感じませんか?

でもそれと同時に、だからここを去らないほうがいいよ、という彼の未練にも近い願いも含まれているようです。

ただ彼は意地悪だけで言っているのではありませんね、きっと。

それは彼女のことを心から愛し心配しているからです。

次のフレーズ以降、彼の優しさが段々とわかってきますよ。

タイトルワードが意味するもの

外の世界は危険に溢れている

Oh, baby, baby, it's a wild world
It's hard to get by just upon a smile
Oh, baby, baby, it's a wild world
I'll always remember you like a child girl

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

タイトルワードが出てきましたね。

どんな世界を意味し、彼は彼女に何を伝えたかったのでしょうか。

ああ、愛しい君よ 世界は荒れ果てているよ
笑顔を絶やさずにいるのはそれはそれは大変なことさ
ああ、愛する人よ 世界は危険に溢れているんだ
僕はこれからもいつでも少女のように愛らしい君を思い出すさ

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

彼を振りきって外の世界へ出ていこうとする彼女への忠告ですね。

まだ見ぬ世界を、荒れ果てている危険に溢れている、と忠告するのは少し言い過ぎの感もありますが...。

ましてや笑顔でいるのは大変なんだよ、なんて、脅しに近いかも。

でも大袈裟すぎるくらいに世の中の厳しさを伝えておかなければ、という彼の優しさが滲み出ている証でしょう。

それだけ心配でたまらないのです、彼女のことが。

少女のように無垢で純粋な彼女が、これから先ひとりで生きていくことが彼にとっては我慢ならないのです。

彼のもう手の届かないところに彼女はいってしまいます。

それは彼女の身に何か起こっても、もう助けてあげられないということです。

ならばせめて言葉で伝えられることは伝えておこう、そう思ったのでしょう。

切なる願い

You know I've seen a lot of what the world can do
And it's breaking my heart in two
'Cause I never want to see you sad, girl
Don't be a bad girl

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

彼は自分の経験に照らし、諭すように彼女に語りかけます。

君は知ってるよね 僕がこれまで沢山の世界を見てきたことを
そしてその世界で様々な仕打ちにあってきたことを
そう僕の心を引き裂くほどのね
少女のようにかわいい君、僕は君が悲しむところを絶対に見たくないから
悪い女にならないでおくれ

出典: Wild World/作詞:Cat Stevens 作曲:Cat Stevens

彼のほうが彼女より年上なのでしょう。

人生経験は豊富なようです。

良いことよりも悪いことのほうが多かった人生なのかもしれません。

なので同じような悲しみを、愛する彼女には絶対に経験して欲しくないのですね。

少女から大人の女性になる時は必ずやってきます。

でも彼はその成長過程を見守ることはもうできません。

遠くから悪い女にだけはなってほしくない、そう願うしかないのです。

必ず覚えていて欲しいこと