両親にギターを買ってもらったのでしょうか。
それとも誰かのギターをもらったのかもしれません。
はじめてギターを持った時の感覚は少年にどんな影響を与えたのでしょうか。
憧れのバンドのギタリストを真似して練習しているのかもしれません。
そんな少年が恋をします。
しかしうまくいかず、打ちのめされて落ち込みます。
学校での授業中も現実逃避をしてまだ見ぬ世界に期待を膨らませているのです。
青春時代をぎゅっと詰め込んだような歌詞に共感してしまいます。
風景が目に浮かぶようです。
白黒灰色な景色
ドレミファソラシド
僕らは今どこ
白黒灰色
ズルくなれ うまくやれ
ヒステリックな風 吹き荒れてる
出典: Boy/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
音階が上がっていくにつれて、少年も成長していくようです。
しかし、自分のいる地点がわからなくなってしまいます。
本来の自分の意志や気持ちとは裏腹に、社会でうまく生きていくための制限などにぶつかるからです。
ズルくなることも、うまくやることも本当の自分の気持ちにはマッチしません。
だからノイズのある風が吹き荒れているのです。
社会の型にハマることに違和感を感じ、自分の立ち位置が曖昧になってしまったのです。
Boy Hey Boy
あっという間に時は流れて
ポケットの金握りしめても
Oh Boy 泣きそうだよ
Oh Boy どうかそばにいてくれ
出典: Boy/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
目の前のことに必死になって生きていると時はどんどん経っています。
気づけば自分はとてもちっぽけで、惨めに思えて寂しい気持ちになっています。
ポケットのお金を握りしめている場面は、恐らく大金ではなくなけなしのお金なのではないでしょうか。
今まで必死に社会の波にもまれて今日まで生きてきたけれど、ふと振り返れば孤独を感じている自分。
強がって生きてきたけれど、そんな大人の男も泣いてしまいそうな時があるのです。
そばにいてほしい相手は一体誰なのでしょうか。
家族、愛する人、友達、はたまた一緒に成長してきたギターでしょうか。
ドレミファソラシド
僕らは今どこ
白黒灰色
手を伸ばせ 取り戻せ
サディスティックな雨 はじき飛ばせ
出典: Boy/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
何を取り戻そうとしているのでしょうか。
それは自分の少年時代に描いていた夢や大切な気持ちなのかもしれません。
世の中のノイズや縛り、自由に振舞えない今の現状を変えようと動き出します。
サディスティックな雨とは、優しく静かに降る雨とは真逆です。
反抗していく姿や気持ちが表現されています。
Boy Hey Boy
いっちょ前に髭なんか生やして
すり減った愛のかけらかき集め
出典: Boy/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
大人の男になったのだと感じます。
しかし、がむしゃらに自分を取り戻していきます。
今まですり減らしてきた自分の気持ちや熱い想い、それこそが愛のかけらなのでしょう。
Boy やめんなよ
Oh Boy 夜明けは近いぜ
Oh Boy
ヒステリックな風吹く街で
ロマンティックなギターかき鳴らせ
Boy 歌おうよ
Oh Boy 新しい歌でも
出典: Boy/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義
最後には本来の自分を取り戻し、少年時代から大事にしている想いを歌にぶつけます。
まだまだ沢山壁は続くけれど、自分の軸を取り戻したことで自信がついています。
ヒステリックな風はこれからも吹き続けますが、歌うことをやめません。
気分なりの生きる道を再確認したのでしょうか。
吹っ切れて、清々しさを感じます。
歌った先にあるもの
歌った先には何があったのでしょうか。
それは、この世界での自分の生き方ではないでしょうか。
少年時代のピュアな気持ちは段々世の中にもまれてすり減っていってしまいます。
しかし、このままでは嫌だと自分の心の叫びに気づきます。
最終的に歌うことを再開し、自分の進む道や軸を取り戻していくのです。
行きつく先には、本当の自分自身なのです。
紆余曲折ありますが、納得のいく自分の生き方にたどり着いたように感じます。
取り戻すべきもの
取り戻すべきものとは、本来の自分自身です。
一時は流されて自分を見失いますがやはり苦しくなります。
自分の心の声に耳を傾けて、最後は行動も生き方も変えていきます。