愛も恋も僕も君も好きも嫌いも全部
嘘も本当も まだまだ歌うね
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27
前述のパートでも自身のファンに対して言葉をかけていたDECO*27。
このパートも彼からファンへの言葉ではありますが前述した言葉とは様子が少し異なります。
というのも、この2行は明確にリスナーへのメッセージだと感じられるからです。
1行目で彼が「全部」という言葉で括っているのは、全て彼の楽曲で頻出するワードたち。
特に「愛」や「恋」というのは彼の歌詞の中で欠かせない言葉です。
2行目では楽曲自体の物語について言及しているのでしょう。
特に「本当」という言葉に多くの意味が隠されているのではないかと考えられます。
物語を描くというのは、フィクション。
つまり虚構によって物事を組み立てるということです。
しかし彼はここでその中に自身の体験も入り込んでいるということを示唆しています。
彼が自分の楽曲に対して真摯に向き合っている姿勢が感じられる表現です。
感謝と謝罪の言葉に隠された意味
今 これまでのありがとう これからもありがとう
君に伝えたいことは それだけなんだけど
なかなか上手く言えなくて 傷付けて泣いちゃってごめん
5年分の感謝 救世主は君のありがとう
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27
ここでは彼は感謝の言葉を綴っています。
この「ありがとう」という言葉はリスナーへの感謝の気持ちを表しているのだと考えられるでしょう。
過去に自分の曲を聞いてくれたリスナー、そして未来に自分の曲を聞いてくれるリスナーたち。
その両方への感謝の気持ちを表している。
この部分にこそ、この楽曲のテーマが表されているといっても過言ではないでしょう。
つまり、この楽曲ではDECO*27からリスナーやファンに対しての感謝の気持ちを表現しているのです。
言い換えるのであれば、ファンとリスナーに対しての愛情といえます。
3行目では、前半は自身の想いを伝えることができない自身の不器用さを歌っているようです。
もしかしたら不器用さもありながら、そういった機会が不足していたこともあるのかもしれません。
結局音楽家というのは音楽で想いを伝えるというのが1番その気持ちを綴りやすいのでしょう。
3行目後半の謝罪の言葉の意図が気になります。
これも、彼の来歴を見ることで紐解くことができるのです。
2013年、「DECO*27としてもうやりたいことを全部やりきったな」との思いから、活動の停止を一旦は考えたが、同年6月にバルセロナで開かれた音楽フェス「Sónar 2013」の盛り上がりと、横浜で開かれた初音ミクのライブ「初音ミク マジカルミライ2013」で自身の曲での盛り上りを見たことで思い直し、ニコニコ動画でのVOCALOIDを用いた曲の発表を再開。
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27
このことから分かるように彼は1度引退を決意していたようです。
しかしながら自身の楽曲を楽しんでくれるリスナーの姿を見て楽曲制作を続けることにした。
そのことへの謝罪の気持ちと、ファンがもう1度自分を音楽へと向き合わせてくれたことへの感謝の気持ち。
このパートには、その両方が隠されているといえるでしょう。
彼が綴る言葉の真意
これからも続いていく道
3と9をかけると 27になるの
僕を何倍しても 君がいるよ
それだけでこの先 なんだって出来るから
どこへだって行こう 君を連れて 歌を唄って
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27
1行目の言葉は英語でのありがとう、すなわち「サンキュー」の語呂合わせを意味しています。
DECO*27というアーティスト名に含まれている「27」という数字との偶然の一致を表しているのでしょう。
君さえいればいいという彼の言葉は、DECO*27からリスナーへの言葉だと考えられます。
ここまで読んで既にお気付きの方もいるかもしれませんが、この楽曲は二重構造のような形になっているのです。
どういうことかというと、この楽曲は一聴すると恋愛ソングのように聞こえます。
その形式を持ちながらも、実際はファンへの感謝の気持ちを歌っているという構造となっているということです。
歌詞をよく読み込むことでリスナーがその仕掛けに気づくようになっています。
歌詞を深く読み込んでくれるファンにはきっと伝わるはずと、DECO*27は歌詞に想いを詰め込んだのでしょう。
4行目の歌詞では、これからも続く彼の音楽人生を思わせる表現となっています。
自分を応援してくれるファンと共にこれからも歩んでいきたい。
彼のそんな気持ちが垣間見える表現となっています。
「バカ」という言葉の真意
君がいて …バカ。
僕がいて …バカ。
バカじゃない 大切なことなんだよ
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27
このパートは、この楽曲の元ともなっている「愛言葉」に登場する歌詞を自身でオマージュしています。
「バカ」というのはDECO*27が繰り返し描いてきた「君と僕」というテーマに対しての言葉ではないでしょうか。
誰かから「バカ」にされるほど何度も君と僕という2人の繋がりに関して歌った曲を描いてきたDECO*27。
それでも彼がそういった題材によって楽曲を作る理由が、3行目で表されているといえます。
なぜ彼が何度も繰り返し同じテーマで楽曲を作るのか。
つまりそれが、DECO*27自身にとって大切であるからだといっています。
彼にとっては、それが人間にとって不可欠な題材だからなのかもしれません。
人間というのは人と人の繋がりによって出来上がっているといっても過言ではないでしょう。
間接的にも、直接的にも生活をする上で様々な人と関わっています。
それが無ければ社会は回っていないのです。
恋愛に留まらず彼は人と人の繋がりというものを深く考え、自身の楽曲を作っているのかもしれません。
音楽を通しての愛情
ハローとグッバイ
ハロー また出会えたね
サヨナラ また別れて
ハロー また同じ場所で出会えたんだ
出典: 愛言葉Ⅱ/作詞:DECO*27 作曲:DECO*27