WANDS
WANDSは1991年12月にメジャーデビューを果たしたロックバンドです。
中山美穂さんとのコラボや、アニメ「スラムダンク」とのタイアップがWANDSを知るきっかけとなった人が多いのではないでしょうか。
中山美穂さんとコラボした「世界中の誰よりきっと」がミリオンヒットし、その後もミリオンヒットを連発しました。
残念ですが、このバンドは2000年3月に解散となりました。
あまり知られていないWANDSの謎
楽曲の紹介をする前に、まずWANDSのメンバーについて知っておく必要があります。
当時あまり公になっていなかったかもしれませんが、WANDSの活動は1期、2期、3期と分かれており、その間にメンバーの入れ替わりが2度ありました。
2度のメンバー交代があった後には、初期のメンバーが全員脱退するという形になりました
海外のバンドでボーカルが変更することは少なくないですが、日本では珍しいと事例だと思います。
WANDS「明日もし君が壊れても」
14thシングル「明日もし君が壊れても」は1998年6月にリリースされました。
この頃のWANDSは3期といわれている時期なので、初期のバンドメンバーは一人もいません。
作詞はZARDのボーカルとして活動していた坂井泉水さんが手掛けています。
坂井泉水さんは既に亡くなられていますが、数少ない提供楽曲として存在感を放っている一曲だと思います。
アニメ「遊☆戯☆王」
この楽曲はアニメ「遊☆戯☆王」の主題歌として起用されました。
WANDSのアニメタイアップと言えば、「スラムダンク」に起用された「世界が終わるまでは…」が最も有名だと思います。
タイトルに同じような匂いを感じるので、比べられることもあるかもしれませんが、どちらも記憶に残る歌でしょう。
セルフカバー
作詞した坂井泉水さんによるZARDでのセルフカバー、作曲した大野愛果さんによるセルフカバーの2種類があります。
ZARDのセルフカバーは2種類あり、収録されているアルバム「時間の翼」「ZARD Request Best 〜beautiful memory〜」でアレンジが変わっています。
WANDSバージョンと違い、ZARDバージョンは2番からラストサビを迎えるまでの間奏で「G線状のアリア」が流れています。
アレンジとしてクラシック曲が挿入されている楽曲はあまり聴いたことが無いので、貴重ではないでしょうか。
大野愛果さんのカバーは全編英詞となっています。イントロがオルゴールになっており、こちらも聴き応えのある面白いアレンジです。
歌詞解説
歌詞を紐解いていくのは困難
楽曲全体を通して切ないイメージを持っているものの、歌詞を理解するのは難しかったです。
坂井泉水さんの歌詞は、「負けないで」のようにストレートな歌詞が多いですが、この楽曲は逆で難解なものでした。
まずタイトルであり、この楽曲のキーワードとなるであろう「明日もし君が壊れても」がどういう意味なのかを考えました。
そもそも人間に対して壊れるという言葉が使われることがありません。なので「明日もし君が死んでしまっても」と考えるのがベターだと思いました。
何度も聴いてみた上で、一途に愛を求め続ける人と、病気で死んでしまいそうな恋人の恋愛模様を描いているのではないかと考えました。
Call my name 誰かが呼ぶ声
暗闇の深い悲しみ
白い素肌の君が
僕のそこに光をさす
出典: 明日もし君が壊れても/作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果
白い素肌の恋人が光を与えてくれています。
自分の名前を呼んでいるのは、今にも亡くなってしまいそうな恋人からの希望の声でしょう。それは耳には届いていなくても、心に響いているのです。