はじめに
声優・内田彩による【Reverb】
【Reverb】は2020年1月から放送されていたテレビアニメ『インフィニット・デンドログラム』のEDテーマです。
これを歌うのは声優としても活躍している内田彩。
『ラブライブ!』の南ことり役や『けものフレンズ』のかばん役で有名です。
『インフィニット・デンドログラム』にはアルター王国第二王女のエリザベート・S・アルター役として出演も。
MVのご紹介
黒いシックな衣装で歌う内田彩が印象的なMV。
大人な女性の魅力たっぷりに歌唱する姿はさすがと言わざるを得ません。
こちらのMVは彼女の公式チャンネルから公開されていますので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
ということで、さっそく歌詞の解説に入っていきます。
不自然なほど生々しいゲーム世界
<ティアン>の存在
砂漠の砂を数えて
月も満ち欠けてく
名前のないものなど何処にもない
出典: Reverb/作詞:大西洋平 作曲:黒須克彦
この曲が主題歌となっているアニメ『インフィニット・デンドログラム』の世界観が表現されています。
砂漠の砂とされているのはおそらくは作中で<ティアン>と呼ばれている存在のこと。
<ティアン>はゲーム内キャラクターのなかで一般に“NPC”とされるキャラクターの呼称です。
“NPC”は“Non-Player-Character(ノンプレイヤーキャラクター)”の略。
ロールプレイングゲームの村人をイメージしていただけると分かりやすいでしょう。
また、主人公たちのようにプレイヤーが存在するキャラクターを“PC(プレイヤーキャラクター)”と呼びます。
この“PC”と“NPC”の知識は『インフィニット・デンドログラム』では特に重要になっています。
月についての表現は、ゲーム内でも現実世界と同じく時間の経過という概念があることを指しているのでしょう。
そしてこのゲーム内キャラクターは生身の人間なのではないか?という視点が作中に頻繁に登場します。
その意味で3行目のような歌詞があるのでしょう。
すべての<ティアン>ひとりひとりに名前があり人生がある…。
“PC”は死んでも生き返れますが“NPC”はそうではありません。
このような、ゲームでありながらも生々しさを感じさせるアニメの世界観がこの3行に詰め込まれています。
頬を撫でる、あまりにもリアルな海風…
海の蒼さに染められ
そよぐ風が頬に
温度のないものなど何処にもない
出典: Reverb/作詞:大西洋平 作曲:黒須克彦
先ほどの歌詞と同じような内容になっているのがこの部分。
海風や、まるでその色を海から写したかのような空の青さが印象的な歌詞です。
こうして海を見ながら佇んでいると、この世界がゲームのなかの仮想空間であることを忘れてしまいそう…。
主人公を含め、この世界を体験したプレイヤーはみなこのような感慨を覚えていました。
だからこそ、プレイヤーたちの脳裏には本当にここはゲームの世界なのか?という疑問符があったのです。
特に主人公はその思いが強かったことから、<メイデン>型の<エンブリオ>を顕現させたようでした。
温度にとどまらず、味のような感覚も存在するこの世界は本当に疑似的な仮想空間なのでしょうか?
可能性は決して0にならない
0が連なるその先に…
あの日 君と樹形図の片隅で
出会う約束をしていた
ねぇもしもここで虹を浮かべるなら
何色で空を塗ろう
出典: Reverb/作詞:大西洋平 作曲:黒須克彦