B'zの36thシングル「BANZAI」が発売された2004年は……
「BANZAI]は、B'z の二人がそれぞれソロ活動を行った、2004年にリリースされました。
B'z のデビュー15周年を迎えた2003年、B'z としての活動に一旦区切りをつけ、2004年はそれぞれがその活動に専念する年になる、という発表があった当時、ファンの反応は様々だったといいます。
それぞれのやりたい音楽を追求することに賛成する方、B'zとしての活動を見たいという方……。
賛否両論入り乱れましたが、やはり多くのファンにB'z として活動する二人の姿を見られないことに一抹の寂しさを感じなさせがらも、それぞれが個性的な活動を開始しました。
松本孝弘は”TMG"を始動
B'zでギター、そして作曲を担当する松本孝弘はTMGというハードロックグループを始動させます。
TMGは” Taku Matsumoto Group” の略。
ヴォーカルにはMr. BIG のエリック・マーティン、ベースには元ナイト・レンジャーのジャック・ブレイズを起用。
超豪華メンバーでのバンド活動を開始した松本は、1stシングルとして「OH JAPAN~OUR TIME IS NOW~」を発表。
度肝を抜くタイトルと、曲のクオリティの高さでやはり松本孝弘だとファンを納得させます。
この曲は週間チャート1位を記録しました。シングル発売の約3ヶ月後にはこの曲を収録したアルバム『TMG I』をリリース。
B'zの楽曲より激しく、メタル的な要素も感じられるアルバムでしたが、一般にも受け入れられた結果となりました。
TMG名義でのアルバムの発売はこの一枚限り。現在でも、またTMGとしても活動してほしいという声もあるようです。
また同年には東京交響楽団とのコラボレーションコンサートを開催するなど、多彩な活動を行いました。
稲葉浩志も自身の名義でソロ活動
稲葉浩志も自身の名義においてソロ活動を展開、個人名義での3rdシングルとなる「Wonderland」をリリース。
この曲も松本と同じく週間チャート1位を獲得。
その後全国ツアーを経て発売された3rdアルバム「Peace Of Mind」リリースしましたが、こちらも週間チャート1位を獲得しました。
フォークのニュアンスを感じさせるような曲も収録されており、B'zで見せる激しいロックとはまた違う稲葉浩志の魅力を感じることができるアルバムとなっています。
以前から親交があったという世界的ギタリスト、スティーヴィー・サラスが参加しており、彼とのセッションによってできたという収録曲「正面衝突」なども聴きどころといえるでしょう。
シングルカットの予定はなかった「BANZAI」
こうして二人ともが精力的なソロ活動を行う中で、突如リリースされたのが「BANZAI」です。
この曲のシングルとしての発売予定はなかったらしく、リリースがアナウンスされた際も、タイトル未定、発売未定となっていました。
メンバーの二人はソロ活動中の為、プロモーション活動も行われず、ジャケット写真もファンクラブ会報に使用したものを再利用。
シングル曲にはほぼPVが前もって制作され、早い段階で公開されることも多いB'zですが、この時はリリース直前まで公開されませんでした。
ちなみにこの曲のPVには、あのお笑い芸人のまちゃまちゃが出演していることでも知られています。
もちろんチャート1位を獲得!
そんな「BANZAI」ですが、しっかりとシングルチャート1位を獲得。
B'zのシングル初登場連続1位の記録保持にも、きちんと貢献しました。
そのノリの良さ、覚えやすいフレーズからファンに高い人気を誇る曲となっており、ライブで演奏されるとかなり盛り上がる曲の一つです。
メンバーも”CDで聴くよりライブに向いた曲”と語っていました。
ライブで演奏される際は、ファンとメンバーとで「BANZAI!」の掛け合いが行われることがお決まりになっています。
「BANZAI」はベストアルバムに収録
「BANZAI」はオリジナルアルバムには収録されず、ベストアルバムのみの収録となりました。
2005年に発売された『B'z The Best Pleasure II』、2008年のB'zのデビュー20周年を記念するベストアルバム『B'z The Best Ultra Preasure』。
そして2013年の B'z デビュー25周年を記念したベストアルバム『B'z The Best XXV 1999-2012』の3作品に収録されています。
ではここからは、「BANZAI」の歌詞とコード譜をご紹介しましょう。
「BANZAI」の歌詞とコードをチェック!
Em D
気を失いそうな 空の青に 目を細め
Am C D
出てゆく君の胸は高鳴り 僕を振り返らない
Em D A Em
すべては流れのままに行くと 笑いながら
G D C D Em
涙は熱いものだと知る
出典: BANZAI/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
”空の青”や”胸の高鳴り”など、期待や希望を感じさせる言葉が並んでいますね。
”君”は振り返ることもなく出ていってしまい、別れのシーンのようですが、不思議なことに悲壮感や後悔を感じさせません。
涙を流しても、笑える。
その別れはきっと前向きなものなのでしょう。
”君”にとってはもちろん、”僕”にとっても。
D Em
遠くの未来に怯えてるよりも
C D
手を抜かず愛したことを誇ろう
G D
とどろけ 歓喜の歌よ おどろうぜ 幸運の舞を
Em D C
Now we're here とんじゃえばいいよ
Am Bm Em
出会えた奇跡を祝いましょう
G
アナタトワタシデサア アシタノタメニ BANZAI
G
テキモミカタモナイソ カガヤクイマニ BANZAI
出典: BANZAI/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘