今まで周りに合せ、周りと自分を見比べながら「普通」に生きてきた主人公の「僕」。

しかし、今になってそんな自分の生き方に疑問を感じはじめます。

自分にはまだ自分らしさ=「アイデンティティ」がないと感じる「僕」は、いつかそれが自分に芽生える日が来るのか、と嘆きを歌います。

いつのまにか失っていた

風を待った女の子 濡れたシャツは今朝の雨のせいです
そう 過去の出来事 あか抜けてない僕の思い出だ

取りこぼした十代の思い出とかを掘り起こして気づいた
これが純粋な自分らしさと気づいた

出典: http://j-lyric.net/artist/a04d6c9/l0213f7.html

「自分」を必死に探そうと、過去の思い出を掘り起こす「僕」。そうやって、ある事実に気づきます。

自分にはアイデンティティがないと思っていた「僕」ですが、以前は純粋な「自分らしさ」というものをちゃんと持っていたのでした。

しかし、大人になって「あか抜けて」いくにつれ、次第に自分を見失ってしまいました。

「あか抜ける」とは、小奇麗になって周囲に溶け込んでいけるようになるのと引き換えにむき出しの個性を失ってしまうことだったのかもしれませんね。

どうして気づかなかったんだろう

どうして 時が経って 時が経って そう僕は気がついたんだろう?
どうして 見えなかった自分らしさってやつが 解りはじめた

どうしても叫びたくて 叫びたくて 僕は泣いているんだよ
どうしても気づきたくて 僕は泣いているんだよ

出典: http://j-lyric.net/artist/a04d6c9/l0213f7.html

歌詞の最後は、ひたすら嘆きの言葉が歌われて終わります。

「どうして」「どうしても」と何度も叫ぶ言葉には、後悔や葛藤などの感情が織り交ざった複雑な心境が表れていますね。

そんな叫びの中にも「自分らしさってやつが 解りはじめた」とあることから、「僕」は自分のアイデンティティを再び見つける兆しを見せていると分かります。

締めつけるような真摯な感情が叫ばれながらも、救いが見える結末です。

まとめ

発売から長い年月が経ってもサカナクションの代表曲として人気の「アイデンティティ」。

デジタルでロックな曲調の中には、文学的な響きで誰もが抱えている葛藤が描かれています。

聴いていてはっとさせられるようなストーリーがくり広げられるこの曲に、是非触れてみてください。

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