アルバム『songbird』

KOKIAの1作目のオリジナル・アルバム

【KOKIA/ありがとう…】歌詞の意味を解説!もしもう一度会えるなら伝えたい”感謝”の想いに迫る!の画像

シンガーソングライター・KOKIAがはじめてリリースしたオリジナルアルバム『songbird』

全11曲が収録されており、1999年に発売されました。

ちなみに、このアルバムにおさめられている曲のほとんどは、KOKIA自身の作詞作曲によるものです。

もちろん、「ありがとう…」もそのうちの1つ。

本アルバムは1999年に香港でも発売され、中でも「ありがとう…」は同年の香港国際流行音楽大賞で3位を記録、サミー・チェンが広東語でカバーした「ARIGATOU」も1位を記録している。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Songbird_(KOKIAのアルバム)

上の引用からもわかる通り、『songbird』は日本よりも先に、香港での知名度を手にする方が早かったようです。

つまりKOKIAの歌は、かなりはやいうちから海外の注目を集めていたといえます。

現在でも国内・国外問わず活躍している彼女の才能は、この頃からすでに認められていたのでしょう。

「ありがとう…」

聴き手の心揺さぶる音楽

【KOKIA/ありがとう…】歌詞の意味を解説!もしもう一度会えるなら伝えたい”感謝”の想いに迫る!の画像

この曲は、もともとはKOKIAの3枚目のシングルとして発表されました。

リリースは1999年です。

すでに書いたように、この曲が収録された『songbird』は発売後すぐに香港で人気を集めました。

中でも、この「ありがとう…」の評価が特に高かったようです。

日本でもそれと同時期に、インターネットを中心に人気を集めるようになります。

これだけでも1つの作品として十分な反応を得たといえます。

しかし、この曲がそれだけに留まることはありませんでした。

2006年にフジテレビ系『カワズ君の検索生活』のコーナー「泣ける2ちゃんねる」のBGMとして「ありがとう…」が使用され、翌年3月16日には改めて15thシングルとしてビクターエンタテインメントから発売されている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ありがとう…

テレビ番組のBGMとして使われたことがきっかけで、2007年に13枚目のシングルとして改めて発売されたのです。

初発表の1999年から、すでに8年もの時が流れているにもかかわらずです。

このことからも、「ありがとう…」が、時代を越えて人びとの心に響く音楽だというのがわかります。

あたたかいけれど切ない音楽

ピアノからはじまるサウンドは、あたたかみを感じさせます

それと同時に、どこか寂しいような、哀しいような、切ない感情も呼びおこします。

全体的にシンプルな音楽なのですが、だからこそ、すべての人に訴えかける魅力を持っているのです。

また、そのシンプルさゆえに、ピアノやギターの弾き語りにぴったりハマる1曲となっています。

極端に低い音や高い音が出てくるわけではないので、覚えやすく歌いやすいという面もあります。

 

次の項目からは、歌詞の内容の解説をおこなっていきます。

淡々と語られる言葉

喪失の物語

誰もが気付かぬうちに 何かを失っている
フッと気付けばあなたはいない 思い出だけを残して

出典: ありがとう…/作詞:KOKIA 作曲:KOKIA

ピアノの前奏の後につづく歌詞は、淡々とはじめられます。

それは音楽も同様で、特に伴奏は終始穏やかに静かに進んでいきます。

出だしには“誰もが”という主語がおかれており、どこか他人事のような雰囲気が漂っているようです。

しかしその後語られるのは、“あなたはいない”という事実です。

それによって語り手が、他人のではなく、自分自身の喪失の物語を語っていることが明らかになります。