幼なじみの4人組が伝説のバンドに!
ミスチル桜井も衝撃を受けた!?
BUMP OF CHICKENが結成されたのは1996年2月11日。彼らはみな幼なじみというのは有名な話ですよね。
昨年、結成20周年を迎え、今回の2017年アリーナツアーもソールドアウト続出。絶大な人気を誇っています。
そんな彼らの魅力は何と言ってもボーカル藤原基央の独特な感性にあります。
BUMP OF CHICKENのすべての楽曲を作っているのは彼。基本のスタイルはハード系のロックですが、彼の中性的な声質は、ハードなナンバーでシャウトしても、にごりが全くない泉の湧き水のように澄んでいて、言葉がストレートに伝わってきます。
歌われる楽曲は、時にブルースっぽかったり、またカントリースタイルを感じさせるものであったり、またフォークの弾き語り調であったり、とバラエティに富んでいることも大きな特長。
それに加えて、彼の作る歌詞は、非常に独創的です。
知的なエッセンスが多く盛り込まれたスタイルで、あのミスチルの桜井和寿をして「バンプは凄い衝撃だった」と言わしめたのも有名な話です。
この「セントエルモの火」は、2010年12月にリリースされた6枚目のアルバム「COSMONAUT」の10曲目に収録されたナンバー。
藤原基央は、メンバーそれぞれに曲を贈っているんですが、この曲はドラムの升秀夫に向けて贈られた歌です。
今回は、この歌を考察してみたいと思います。
富士山登山を元に作られた
仲の良さが伝わってきます。
この曲は、ドラムの升秀夫が富士山登山をすることを聞きつけた藤原基央が、その後を追いかけ、頂上で驚かせてやろうと升の後から登って行ったというエピソードから作られたと言われています。
幼稚園から一緒だったという4人組。プライベートでは全く別々というバンドも多い中、こういうエピソードひとつ取っても、仲の良さがわかります。
出だしですぐにその情況が見えてきますよね。
夜が終わる前に追いつけるかな 同じ坂道の上の違う位置で
同じ場所にむけて 歩いてるんだ 今 どんな顔してる
出典: https://www.uta-net.com/song/106197/
バンド結成のきっかけは升の誘い!?
中学生時代
BUMP OF CHICKENが誕生したのは、升が藤原に「バンドやろうぜ」と誘ったことがきっかけと言われています。
そういう升と藤原の関係を思いながら、この「セントエルモの火」を聴くと、同じ言葉でも深味を持って聴くことが出来ます。
たとえば、2節目のここ。
言葉を知ってるのはお互い様な 言葉を知らないのもお互い様な
勝手について来たんだ 構わず行けよ ほら全部がお互い様な
出典: https://www.uta-net.com/song/106197/
「勝手について来たんだから」というのは、当然と言えば当然のセリフ。
驚かせようと後から登っていくのですから、まさに勝手について登っていったわけです。
でもバンド結成のきっかけと、またここまで共に続けてきた音楽活動ということに思いをはせると、ここは深い意味を感じさせてくれます。
藤原は升に何度も「お互い様」と繰り返します。
バンドでのいろいろな出来事を、うれしいこと、悲しいこと、楽しかったこと、辛かったこと、いろいろなことを昇華したうえで、「お互い様」という言葉があるのでしょう。
こういう風に今までのことを友達として語りかけられるのは、とても気持ちのいいものではないでしょうか。
いくつもの意味を持つ言霊
詩人藤原基央の才能
優れた言葉の使い手は、言葉にいくつもの意味をもたせ、そして様々な解釈をさせることが出来ます。
限られた語数で語らなければならない歌詞においては、まさにその才能が不可欠。
藤原基央はその才能を存分に発揮して、これまで数々の楽曲を作り上げてきました。
この「セントエルモの火」では、登山という題材を使って、升にそして私たちにいろいろなことを語り掛けてくれます。
how far are you? 星が綺麗なことに 気付いてるかな
僕が気付けたのは 君のおかげなんだよ ずっと上を見てたから
出典: https://www.uta-net.com/song/106197/