セカオワの狂気「Eye」の1曲目

子どもたちへの苦い思い

SEKAI NO OWARIは2019年2月末、溢れる創作意欲のために2枚のアルバムを同時リリースいたしました

彼らの狂気の部分を押し出した「Eye」と、彼らのポップな側面を強調した「Lip」。

今回、ご紹介する「LOVE SONG」はアルバム「Eye」の1曲目に当たります

つまりSEKAI NO OWARIが描く狂気の世界の扉。

未来の世界を担う子どもたちへの苦い思いをFukaseが詩にし、SaoriとNakajinが作曲しました。

この曲のMVが2019年2月18日にYouTubeで公開されています。

暗いトーンを基調とした正にSEKAI NO OWARIの狂気が開花

このMVを元に楽曲「LOVE SONG」について解説いたします。

まずはこのページに貼ったリンクでMVをご覧ください。

機械仕立てのセットに注目

Fukaseのこめかみを狙う銃

SEKAI NO OWARI【LOVE SONG】MV解説!辛い環境の子供達…意味深な映像の意味は?の画像

MVの舞台は暗く古い洋館です。

機械仕掛けの巨大な道具にビリヤードで使う球がいくつか並んでいます。

時計が回転し、ビリヤードの球が動き出すとストリングスの音色が響きだすのです。

手に銃を構えた子どもがFukaseのこめかみあたりを狙っています

衝撃的な場面ですが、このシーンを目に焼き付けていてください。

後にMV全体のコンセプトが明らかになる際にとても重要なシーンです。

ビリヤードの球が転がり続けて様々な仕掛けが動き出す。

背後にはDJ LOVEやFukajinなどメンバーの姿。

ビリヤードの球がいつしかリンゴに変わって、仕掛けから落下しスイッチを叩きます

リンゴは「知恵の実」という意味があり、人類にとってとても馴染み深い果実です。

物語が始まります。

新宮良平監督の演出が冴える

教官に監視されている子ども

SEKAI NO OWARI【LOVE SONG】MV解説!辛い環境の子供達…意味深な映像の意味は?の画像

MVの監督は新宮良平

様々な映像作品を世に送り出すクリエイターです。

SEKAI NO OWARIの魅力を存分に引き出していきます。

Fukaseが歩き歌い始めると、大きな動くソファに子どもが乗っていて、彼と一緒に洋館を歩むのです。

Fukaseは子どもから取り上げた銃を手にしています。

本を読むSaori、くつろぐDJ LOVEとNakajinの姿がインサート。

カットが変わると子どもたちが数人、教官に監視されながらペーパー・テストに取り組んでいます

教官はスコアを示し怒鳴るような仕草。

これらのシーンはデフォルメされた現実です。

進学校や進学塾では未だ偏差値至上主義が幅を効かせています。

再びカットが変わりひとりの子どもが映し出される。

ブラウン管のアナログ・テレビ数台をリモコンで操作するのです。

得体の知れない虚しさがそこにあります。

メディアに触れていないと不安になる私たちの姿です。

子どもたちへの挑発

的を射る歌詞

SEKAI NO OWARI【LOVE SONG】MV解説!辛い環境の子供達…意味深な映像の意味は?の画像

いつの時代もいるんだ
「大人はいつも矛盾ばっかり」とか「嘘ばっかり」って言うKid
今の君はどうなんだい そんなに子供は純粋だったかい?
時間が成長させるとでも? Hey Kid
君の言う腐った大人もかつては今の君みたい
嘘つきはガキの頃から嘘つき なぁKid
大きなモノに噛み付いて 安全圏に逃げ込んで
撫でられながら威嚇する Hey Cat

出典: LOVE SONG/作詞:Fukase 作曲:Saori,Nakajin

Fukaseの書く歌詞は子どもたちへの挑発を含んでいます。

子どもには優しくあって欲しいものですが、Fukaseの歌詞には容赦がありません

なにせ彼らの狂気の部分を押し出したアルバム「Eye」のトップに収められた楽曲です。

シニカルな視線での歌詞

内容をよく読むと辛辣ですが的を射たもの

恐ろしいです。

かつては自分も子どもだった

メンバーの演奏シーン

SEKAI NO OWARI【LOVE SONG】MV解説!辛い環境の子供達…意味深な映像の意味は?の画像