自分を大きく見せる理由
あんまり気張りすぎないでね
自分を大きく見せるのは
ちゃんと存在を確かめてないと不安なんでしょ?
君の良い所はみんな知ってるよ
だからあんまり気張りすぎないでね
キョロキョロしてちゃ気付かぬうちに
足元すくわれてしまうよ だから背伸びしないで
自分らしく歩いて行こうよ 後悔しないように
出典: 雀ノ欠伸/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
「君」が背伸びをついしてしまう理由をまるで手に取るかのように理解できる主人公。
どうやら彼もまた、「君」のような態度を取っていた過去があるようです。
「もっと自分に長所がないと相手にしてもらえないかも」
そんな風にどんどん背伸びがエスカレートしても、偽りの姿なのでそれは長続きしません。
周りと自分を比べて気にしてしまったり、ついつい人のマネをしてしまったり…
そんなやり方は疲れてしまいますし、長続きしません。
何より、人それぞれ違うので上手くいかないことが多いです。
『徒然草』序段で綴られている通り、「自分のなんとなく思う事を書き出してみる」といったように、たまには自分を振り返ってみることが大事なのではないでしょうか。
朝はたまに怖くなる
明日はオレンジの風が吹く
カーテンの向こう側 新しい朝がたまに怖くなるよね
僕もそうだよ
本当の僕が欲望に蝕まれぬように
終末平成行く末もお茶は濁さないで クリアな
嘘のない今を生きよう
出典: 雀ノ欠伸/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
新たな一日が始まるのが億劫で、嫌な時もある…
「誰だってそんな時はあるよ」と優しく「君」へ寄り添う主人公。
「サントリー天然水 GREEN TEA」とのコラボということで、「お茶」がさりげなく歌詞に登場しています。
この曲を制作したのはきっと元号が変わる前なのでしょう。
平成という時代が終わっても終わらなくても、今を誠実に生きるのだと歌っています。
誠実なのは自分に対して。
周囲の声に惑わされずに「本当に自分がしたいことをやる」という決意が感じられます。
簡単なようで、なかなか難しいことです。
可能性は無限
時間は有限だけれど…
月は欠けて時間は有限 戻らないが
可能性は無限にある
僕らいつも怖がってしまうけれど
死ななければ
明日もオレンジの風は吹く
カーテンの向こう側 新しい朝がもうきっと待ってる
僕ら行かなきゃ
出典: 雀ノ欠伸/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
これだけ文明が発達しても、人間は時間を自由に操ることはできません。
日々、刻々と過ぎていく時間。
それでも、未来は自分達で変えることできると言っています。
新しいことを始める時はいつもリスクが伴いますが、それを恐れていては何も実現することができない…
ちょっとギョッとするフレーズが登場しますが、死にさえしなければ色んな道があるはずだと言いたいのでしょう。
最後に「僕ら」と言っている点に注目。
この「僕ら」とは、「君」と「僕」二人のことだと思います。
「君」に一方的に呼びかけるだけではなく、「一緒に未来へ踏み出そうよ」と誘っているのです。
前向きかつ、聴く人の立場に立った真心の感じられる歌詞ですね。
最後に
ついつい頑張りすぎる人に聞いて欲しい曲
『雀ノ欠伸』は頑張って空回りしてしまいがちな人へ、マイペースに自分らしく進んでいこうと呼びかける曲でした。
タイトルは「すずめのあくび」と読むのですが、とてもかわいらしい言葉ですよね。
小さな小鳥のあくびに気づくくらい、ゆったりと構える姿勢を表しているのかもしれません。
今回、ご紹介した歌詞の意味を考えながら改めて聴いてみてくださいね。
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同じく「徒然なるトリビュート」の曲として発表されたtofubeats『Keep on Lovin' You』。
こちらは『徒然草』第150段を再解釈したというもの。
こちらの記事では元となった『徒然草』の内容に触れながら、MVを解説しています。
歌詞についても触れていますので、是非ご覧ください。