1stフルアルバム「事実上」で新境地へ

2018年10月17日、Reolの1stフルアルバム「事実上」がついにリリースされましたね。

2018年からソロアーティストとしての活動をスタートさせた彼女。

急激に変化する取り巻く環境に戸惑いもあったのでしょう。

リリースされるシングルも「サイサキ」「SAIREN」と、自分を鼓舞しているようなイメージの曲が目立っていました。

実際、ユニットでの活動終了を経ての気持ちの切り替えも上手くいっていなかったと本人が語っています。

そうやって葛藤しながらも走り抜けてきた彼女。

ここに完成させたのは「これがチャート1位じゃなかったら、ちょっと音楽シーンを信じられない」と語る自信作でした。

やっとソロの自分を受け入れられたと語るその様子も、この作品がソロアーティストReolを示すのにこの上ないことを物語ります。

古くからのファンにとっては、新境地を見出した彼女を。

まだよく知らないという方も「これがReolだ」と知らしめるような内容を堪能出来るのではないでしょうか。

コンセプトは「生々しさ」

Reol【事実上】アルバム収録曲を全曲レビュー!"生々しさ"が彩る世界観をその目に焼き付けて!!の画像

ジャケットは「神様」をモチーフにしたもの。

蓮の花や鯛、白鳥の置物と祭壇に祀られたReolの姿が描かれています。

ケバケバしいイメージのメイクがまた神秘的で、只者ではない感がジャケットから滲み出ていますね。

そしてアルバムのコンセプトは「生々しさ」。

「事実上」というタイトルもそうですが、飾らないリアルな感情が楽曲に表現されているのではないでしょうか。

今、Reolが何を思い、何を歌っているのか、その「生生しさ」をこの記事では考察していきましょう。

盟友たちも応援

曲目リストは以下の通り。

M1. 幽居のワルツ
M2. サイサキ
M3. 激白 
M4. 十中八九 
M5. 煩悩遊戯 
M6. -MANDARA FACT-
M7. 真空オールドローズ
M8. ミラージュ
M9. SAIREN 
M10. 秋映

-CD購入者限定ボーナストラック-
M11. mede:mede -JJJ Remix-

-配信アルバム購入者限定ボーナストラック-
M.11. 劣等上等

出典: 事実上/Reol

CD限定のボーナストラックには2015年にれをる名義でリリースされたアルバム「極彩色」に収録されていた「mede:mede」のセルフリミックス。

そして配信限定のボーナストラックはボーカロイドの鏡音リン・レンの楽曲歌詞を提供した「劣等上等」を自ら歌ったものを。

そして今作で目を引くのはユニット時代のメンバーGigaが多くの楽曲作曲で参加しているという点です。

それだけでなく、トレイラー映像は同じく元メンバーのお菊のディレクションによるもの。

2人とも、ソロで歩んでいこうとするReolを応援しているのですね。

それぞれの道を行くために解散した3人でしたが、これには絆の強さを感じさせられます。

楽曲をレビュー

それではここから、楽曲をそれぞれレビューしていきましょう。

ボーナストラックがCDと配信で異なるため、それらを除いた考察となります。

そちらは手に入れてのお楽しみということで!

1.幽居のワルツ

弾むような可愛らしいピアノから幕を開けたかと思えば、歌が始まって以降はなんとも怪しげな雰囲気。

Reolらしいデジタルサウンドにストリングスがオーケストラ風に入っているのもワルツらしいですね。

ワルツと言っても単なる3拍子で終わらず、変拍子の要素も含んでいる辺りに遊び心を感じます。

飽きるほど繰り返そう
果てまで愛させてよ
かけがえない最後も
君と過ごしたい

出典: 幽居のワルツ/作詞:Reol 作曲:Reol

いわゆるダンスミュージックのそれとは雰囲気が違いますが、ワルツも踊りのための音楽です。

ずっとビートが続いていくような感覚には通じるものがありますね。

そしてこの曲もその輪廻感を表したような歌詞となっています。

2.サイサキ

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