軽快な音楽が印象的な「風たちの声」
RADWIMPSの「風たちの声」は軽快なメロディが印象的ですね。
ドラム(スネア)が叩くマーチングのようなサウンドが、体の芯まで響いてきます。
ボーカルの野田洋次郎は爽やかな声でどんなメッセージを伝えているのでしょうか?
「風たちの声」の1番のAメロとBメロを徹底解釈
1番Aメロの前半部分
風が僕らの前で急に舵を切ったのを感じた午後
今ならどんな無茶も世界記録も利き手と逆で出せるような
気がしたんだ 本気でしたんだ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
冒頭からとっても力強い歌詞ですね。
カノン進行の軽快な音楽に合わせて、主人公の心の躍動が感じられます。
急に方向を変えた“風”は何を表しているのでしょうか?
おそらく、ここでは困難や苦難を表現しているのだと思います。
困難の方から僕らを避けていくような、なんでも上手くいくイメージですね。
また、下記の表現もとても独特で面白いです。
利き手と逆で
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
1番Aメロの後半部分
信号機が僕らの行く先を 全部青に変えてくよ
今僕らにあるものと言えばきっと 遥かな傲慢さと勇気と
大人は持ってない モノのすべて
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここでも“僕ら”の無敵なイメージが続いています。
車を走らせていたら、信号機が連続で青になって少しハッピーな気分になった。
そんな経験をしたことありませんか。
全てが青になったら、さぞかし爽快でしょう。天気が良ければなお最高です。
心が澄み渡っていくような歌詞ですね。
ただ、“今僕ら〜”以降からは、自分たちのことを若干冷静に見ているような印象も受けます。
今が楽しくて大人になることを拒否したいような心情でしょうか。
さらに次の表現にも注目してみてください。
遥かな傲慢
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
傲慢という言葉からは普通マイナスなイメージを受けます。
しかし遥かなという言葉がついていることで、きらびやかな印象になるのです。
若さゆえの傲慢さには価値があるということでしょう。
1番のBメロの歌詞
「なんとかなるさ」と「あとどれくらい?」と「大丈夫かな僕ら」の間を
振り子のように行ったり来たりしては 手を強く掴んだ
出典: 風たちの声/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
Bメロになると少しだけ不安な気持ちが顔をのぞかせます。
若さと自信に満ちあふれた状態から、ふと我に返ってしまった心情を表しているのでしょう。
“振り子の〜”という言葉から、心が自信と不安を規則正しく行ったり来たりしているとわかります。
「感情が揺れ動くのは決して悪いことではない!」
歌詞の主人公はそう思って、強く生きる決意を固めるように手をぎゅっと握ったのでしょう。
ロマンチックと青春が融合しています。