楽曲について
頬杖をついては眠れない
秋元真夏、斉藤優里、白石麻衣、新内眞衣、高山一実
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/今が思い出になるまで
ベースが引き立てる淡々としたメロディから、ワルツを思わせる三拍子への急転換。
サビでがらりと変わる曲調が癖になる楽曲です。
そこに秘められた主人公の背反する二つの心。
どんな物語が描かれているのか、読み解いていきましょう。
浮かび上がった疑念
崩れていく平穏
あの日 どうだった? どういう顔でどこを見ていたんだっけ?
どうだっていいけれど 何でだろう? 引っかかってるの
女の勘とか そういう面倒くさいものシャットダウン
出典: 頬杖をついては眠れない/作詞:秋元康 作曲:Super Mahirock
彼の様子を思い返している主人公の様子から始まります。
表情や視線、細かいところにある手がかりを探っているようです。一体何があったのでしょうか。
気になんかしていない。そう思いつつ、何かが心につかえて落ち着きません。
おそらく、恋人を疑うような出来事があったのでしょう。
何気ない言葉の端から、自分とは違う他の女性の陰が見えたのかもしれません。
それは取るに足らない、気にしすぎと言われればそうかもしれない。その程度のことでした。
主人公はそれが気になって仕方がないのです。嫌な予感があり、胸騒ぎが止まりません。
そんな予感を突き詰めれば、心の平穏など保たれません。
彼への疑い。嫉妬や失望。あらゆる感情に苛まれて、心が辛くなるだけです。
気づかなかった。それで終わらせて飲み込んでしまえばすべてが丸く収まります。
深く考えないように主人公は感覚を遮断しようするのです。
主人公の葛藤
(I want to know)知りたくない(知りたかったのかな)知りたいんだ
たかがあなたのこと
出典: 頬杖をついては眠れない/作詞:秋元康 作曲:Super Mahirock
考えないように、そう努めてみても心のざわめきは止まりません。
本当のことを知りたい。でも、もしも予感が的中してしまったら…。そんな不安がせめぎ合います。
あなたのことなど問題にするほどではない。別に気にしてなんかいない。
そう思いながら、心の奥ではどうしようもなく気になってしまっているのです。
()の中身は主人公の心の葛藤を描いています。
相反する気持ちに挟まれて主人公は身動きがとれなくなっているのです。
悩みの日々
頬杖が何だか癖になる ほらいつの間にかまたついた
頬の筋肉が落ちそうだ こんなことしてられない
出典: 頬杖をついては眠れない/作詞:秋元康 作曲:Super Mahirock
頬杖は悩み事や考え事をしているときに無意識にとってしまう姿勢です。
心の不安や疲れが表れるともいいます。
そんな頬杖を日常的にしてしまう。主人公がいかに彼のことを思い悩んで、不安になっているかの表れです。
本人は気にしないようにしていても、無意識のうちの行動はどうしようもありません。
自分が思っている以上に、あなたという存在は主人公にとって大きなものなのですね。
このままでは頬がたるんでしまう。こんなことで美貌を損ねるわけにはいかない。
だから考えるのはやめよう。
そう理由をつけて、主人公は心配事から目を逸らそうとするのです。