クズな君
アーティスト、堂村璃羽さん。
2017年から活動しており、ファッショングッズなども販売しています。
ネット界が生んだ個性派アーティストとして親しまれています。
2019年に配信が開始されたアルバム「この記憶を抜ければ」。
このアルバムの中に今回考察する「クズな君」が入っています。
タイトルからも衝撃を受ける楽曲。
歌詞の内容もどこかバイオレンスな印象を受けるようなものになっています。
ストレートな歌詞だからこそ、多くの人に共感を受けるのかもしれません。
恋愛をしながらも抑えきれない辛い感情を表現しています。
それでは堂村璃羽さんの「クズな君」の歌詞について詳しく見ていきましょう。
君のことを
傷つけられた
「クズだから」じゃなくて「クズだけど」って言う
身体に傷をつけて悲しませるのに
頭の中はその人を嫌いになれず
まただ同じ日々を繰り返ししんどくなってく
出典: クズな君/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽,Falsecut,Helix
歌詞の1行目。
この「クズ」だと述べている人はタイトルにもある通り「君」のことでしょう。
しかし「だから」ではなく「だけど」と言っています。
つまりクズだけど良い人、クズだけど好きな人のように、良い印象を持っているのです。
自分の身体を傷だらけにするという歌詞からもDVを想像させるような表現です。
君にたくさん傷つけられてきたのでしょう。
それほどのことをされては君のことを嫌いになりそうですが、自分はそうはなれないのです。
歌詞の3行目「頭」という言葉は歌詞の2行目の「身体」との対比になっているでしょう。
身体では君からの傷があるのに、頭の中ではどうしても嫌いとは思えないのです。
「その人」というのは君のことであると考察できます。
どうしても君から離れられない毎日を送っている。
そのためどんどん自分の傷も増えていき、苦しくなってしまうのです。
それなのに
「悪気ないから」なんて思っては
痛みすら慣れていくの
そんな自分が嫌になるよ
どうしてこんなやつ好きでいるの?って
出典: クズな君/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽,Falsecut,Helix
君が自分を傷つけているのは、わざとではない。
そのように自分は思い込んでいるのです。
だからこそ君にいくら傷つけられても許してしまうのでしょう。
もはやその傷つけられることが日常だと思ってしまっているのかもしれません。
そんな気持ちがありながら、自分でももう嫌なのです。
どうしても君から離れられない自分に嫌気がさしていることがわかります。
歌詞の4行目から君は恋人であることが推測できるのではないでしょうか。
こんなにひどい人なのに好きだと思い続けてしまう自分。
なぜかと疑問に思いながらも、どうしても好きという気持ちが消えないのでしょう。
この関係性は
今までは
初めの頃は好きが伝わってきたのに
今じゃ褒め言葉すらも
口にしない そんな君と2人の夜は
少し寂しくなってくるよ
出典: クズな君/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽,Falsecut,Helix
歌詞の1行目から、かつては傷つけられていなかったことがわかるのではないでしょうか。
君の愛情をしっかりと受け取ることができた。
しかし今はそのような愛情表現などは全くないのです。
この歌詞から、なぜ2人が一緒にいるのか疑問に思ってしまうかもしれません。
愛情をくれない、褒めてもくれない君。
そのような君とずっと一夜を過ごすのはとても長く感じるのかもしれません。
また歌詞の4行目。
「寂しくなる」という言葉からも、本当はもっと君と愛し合いたいということが表現されています。
やはり君に対して依存していることが伝わってくるのではないでしょうか。
また過去のように愛情をしっかりと告げてくれる頃に戻りたいと思っているのでしょう。
本当の愛って
喧嘩ばかり繰り返す毎日に
もう嫌になるよ 愛情ってなんなのかわからない
何を言っても変わらない 何を言っても刺さらない
理想を殺す馬鹿な愛
出典: クズな君/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽,Falsecut,Helix