累計売上120万枚のミリオンセラー「私鉄沿線」
野口五郎にとって2番目のヒット作
1975年1月20日、15枚目のシングルとして野口五郎がリリースした「私鉄沿線」。
その年の日本レコード大賞・歌唱賞など、複数の賞を取った大ヒット作です。
前年に発売した「甘い生活」に続き、自身2番目のヒット曲となりました。
郷ひろみ・西城秀樹と共に「新御三家」と呼ばれ、絶大なる人気を誇っていた野口五郎。
60歳を過ぎた今も、精力的に活動を続けています。
作詞作曲はちょっと意外な人物
作詞は『水戸黄門』の主題歌も手がけた山上路夫
作詞を担当した山上路夫は、特に1960年代後半~70年代にかけて活躍した作詞家です。
当時の売れっ子歌手の作品を調べると、彼が手がけたものの多いこと多いこと!
若い人も知っていそうなものをいくつか挙げてみましょう。
学校の合唱で一度は歌ったことがある「翼をください」。
ゴダイゴの「ガンダーラ」、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」。
そして極めつけがこれ!
♪人~生楽ありゃ苦~もある~さ~♪
山上路夫は既に80歳を超えていますが、2018年現在も現役で作詞活動をしていますよ。
作曲は野口五郎の実兄:佐藤寛
野口五郎の熱唱動画をどうぞ!
心を閉ざすほどの悲しみとは? 歌詞を徹底解釈
ではここから、歌詞の解釈をしていきたいと思います。
彼女を待つときめきはもう過去のもの
改札口で君のこと
いつも待ったものでした
電車の中から降りて来る
君を探すのが好きでした
悲しみに心とざしていたら
花屋の花も変わりました
出典: 私鉄沿線/作詞:山上路夫 作曲:佐藤寛
昔も今も、駅の改札口というのは待ち合わせ場所によく使われるもの。
しかし、都内のJR駅では改札口がホームの階段を上ったところというパターンが殆どです。
現在でも「改札口から乗客の乗り降りが見える」のは、やはり私鉄駅になります。
頻繁に待ち合わせをしていたようですから、きっと乗る車両の位置も決まっていたことでしょう。
電車が到着するたびに彼は、胸をときめかせつつその車両付近を見つめます。
この電車に彼女は乗っているのかな……いなかった。じゃあ次かな?
駅前にある花屋はちんまりとかわいらしい佇まい。
だけど街の中で一番に季節を先取りするお店、そんな存在でしょう。
彼が悲しみに心をとざすようになったのは、電車から降りてくる彼女を探せなくなったから?
季節の移ろいがあったということから、それなりの日数が経っていることがうかがえます。