付き合っている二人が、段々お互いの気持ちにすれ違いが多くなっていって、別れてしまった。

ただ、そうして別れたとしても、またお互いが別の誰かと出会って恋愛をするのならば、自分と付き合っていたことも無駄ではなかった。 そんなことが「どこかで掛け違えてきて気が付けば一つ余ったボタン

同じようにして誰かが 持て余したボタンホールに出会う事で意味が出来たならいい」の歌詞に例えられています。

なんて切ない歌詞なんでしょうか。 しかし、ここでは前半の歌詞とは違い少しポジティブな感情が芽生え始めているように思えますね。

「十字路に出くわすたび 迷いもするだろうけど」

これにはこれからも、いろんな女性と出会う中で迷いながらも恋をしていこうという決意が感じられます。

大サビの歌詞の解釈

今以上をいつも欲しがるくせに
変わらない愛を求め歌う
そうして歯車は回る
この必要以上の負担に
ギシギシ鈍い音をたてながら

出典: くるみ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

ここの歌詞はくるみの中で一番深いな~と思わされる部分です。

「今以上をいつも欲しがるくせに 変わらない愛を求め歌う」 つねにいろんなものが欲しい欲しいと思っていながら、実際求めているのは愛のような普遍的なものだったりするという、意味と捉えられます。 欲深い人間の本質をついている歌詞だと思いました。

お金、地位等をついつい求めてしまいますが、やっぱり家族、恋人、仲間からの愛情に勝るものはありませんもんね。

希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみよう
出会いの数だけ別れは増える
それでも希望に胸は震える
引き返しちゃいけないよね
進もう 君のいない道の上へ

出典: くるみ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

最後の「引き返しちゃいけないよね 進もう 君のいない道の上へ」

ここからは完全に過去の未練をもっていた自分と決裂し、彼女のいない、新しい人生を生きていく決意をした気持ちが現れているように思います。 今回私はくるみを以前の彼女としてこのような解釈をしましたが、きっと違う解釈を持っている方もいると思います。

ここに書いてあることは参考程度に捉えてもらえたらと思います!

名作MV「くるみ」

短編映画のようなMV

このように解釈してきた「くるみ」。
実はミスチルMVの中でも屈指の名作。
映画のような物語になっており、思わず胸が熱くなる泣けるMVです。
実はこのMVMr.Childrenメンバーはほとんど登場しません。
その代わり登場するのは、中年の男性
ある日男性は店に置かれているギターに魅せられます。
冴えない毎日を送り、妻と子供にも置いて行かれた男性。
男性は「くるみ」という曲を作り、再びバンドをやろうとかつての仲間に声を掛けます。
それぞれ仕事や家庭を持ち、歳を取った仲間たち。
けれど再び集まり、置いてきた夢と向かい合おうとします。
若い頃のように自由ではなくても、少しでも思いを歌で伝えたい。
そんな思いが伝わってくるMVは、切なくほろ苦いけれど胸が熱くなる一作となっています。

MV「くるみ」から伝わるメッセージとは?

このMVを見て感じるのは、「くるみ」は夢を諦められない人々の歌だということです。
大人になり仕事や家庭を持って、外見も年老いていく。
それでも男たちはバンドという夢を見つけ、それに向かって懸命に動き出します。
夢への情熱、そして憧れ
それこそが、「くるみ」MVに託されたメッセージなのです。
そしてそこから「くるみ」という楽曲を読み解くと、もうひとつの解釈が姿を見せてきます。

もうひとつの「くるみ」の解釈

くるみ=「来る未来」とは

「くるみ」は「来る未来」を擬人化して呼びかける意味もある、と最初に述べました。
そちらの意味を軸として考えてみましょう。
未来に対して呼びかけている。
しかもそれは「君のいない道」と歌われるように、既に失われたものです。
つまりこの「くるみ」は、ただの未来ではなく、「過去に夢見ていた未来」なのではないでしょうか。
子供の頃や学生の頃に夢見ていた未来。
けれど叶うことはなく、諦めてしまった夢や目標
そうしたものを擬人化して呼びかけているのが「くるみ」なのです。

現実に押し流されて