くるみ=かつての夢を失い、それでも時間は前へと進んでいきます。
歯車」という言葉が何度か出てくることに注目しましょう。
「社会の歯車」や「会社の歯車」のように使われるこの言葉。
主人公は夢を諦め、ひとりの社会人として生きている。
そんな姿が描き出される言葉です。
ミュージシャンになりたいと夢見ていても、大人になるにつれそれを諦めて、会社に勤めたり仕事をして生きている。
けれど時折、過去に夢見ていた「くるみ」を思い出し、自分はこれでよかったのだろうかと考えてしまう…。
そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。

君を失っても進んでいく世界へ

夢を諦めても人生は続いていきます。
時折思い出し、自問自答しながら。
過去の夢を持っていた自分には、今の自分はどう映るだろう。
ひとつ選択が違ったら、今の自分はどうなっていたのだろう。
それでもまた希望を抱き、夢を見て前へ進んで。
懸命に行きていこうとする姿が感じられます。
かつて愛していた大切な人の存在をそっと胸の奥に秘め、自分が選んできた今の人生を歩いていく。
そんな姿も、この1曲の終わりからは見えてきます。

愛した人のようにいとおしいもの

かつて愛した恋人へ送る歌としても、かつての夢へと送る歌としても読み取れる「くるみ」。
このふたつは、ただ響きの女性らしさや言葉遊びで重なっているものではありません。
ひとつは最初に歌詞を引いて解釈したとおり、ひとりの愛した女性へのラブソングとして。
そしてもうひとつ、諦めてしまった夢への大切な思い、愛おしさとして読み取れます。
このふたつを重ねることで、思いの強さを伝えているのです。
まさに夢見て恋い焦がれるように感じていた、かつての夢。
その感情を愛した女性への恋心に重ねて歌うことで、夢を諦める切なさを。
あるいは、夢を諦めきれない想いの強さを表現しているのです。
逆の意味としても解釈できます。
かつて憧れた夢のような、甘酸っぱく大切な思い出の中の女性。
諦めてしまった夢のようにもう遠くに行ってしまった人。
そんな人を思い出して、あたたかいけれど胸が締め付けられるように苦しくもある…。
このふたつは互いに互いの印象をより強く、具体的な感情を以て伝える力を持っているのです。
思えば、恋と夢は似ています。
憧れ、心を惹かれてそのことばかり考えてしまう。
そのためだったらいくらでも頑張ることができる。
とても大切で、愛おしくて。
けれど必ず思いが遂げられ、叶うとは限らない。
どんなに愛していても、様々な理由でその思いを諦めなくてはならないことがある。
それでも、大切なものとして心の中に残り続ける…。
そんな、人の心をとらえて離さないもの。
それが恋であり、夢なのです。
「くるみ」で描かれた、優しく暖かくて切ない思い。
そこには恋も夢も重ねられているからこそ、恋の歌としても、夢を諦めた大人の歌としても胸に響きます。
リリースから長い時間を経て、未だに名作として愛される「くるみ」。
その人気の理由こそ、聞く人によってどちらの意味も重ねられる歌詞の芳醇さにあるのでした。

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