「不可幸力」
その言葉の意味は
2019年6月からYouTubeや各種配信サイトで断続的に楽曲を発表しているVaundy。
今回ご紹介するのはそんな彼の「不可幸力」です。
この楽曲は2019年11月に発表され、彼の知名度を急上昇させるきっかけとなった楽曲の1つ。
デビュー間もなかった彼の才能が詰まった楽曲であるといえるでしょう。
今回の記事ではその「不可幸力」の歌詞の意味を徹底解釈していきます。
そのタイトルは一体どのようなことを意味しているのでしょうか。
その真相に迫ります。
「不可幸力」のMVはYouTubeで公開中
これはまさにVaundyの音楽としかいいようのない音楽。
その独創性を色調の強いアニメーションによって表現しています。
MVの中で楽曲を象徴しているのは真っ黒なカラス。
カラスというのは鳥の中でも特に高い知能を持っているといわれています。
群れで行動したり鳴き声で仲間と意思を交換するなど、人間に似ている部分もあるのです。
そう考えるとカラスというのは社会で生きる人間を表しているといえるかもしれません。
さて次は早速歌詞の意味を解釈していこうと思います。
生きる人々の心
日々の閉塞感
どこにいっても
行き詰まり そして息道理を
そのままどっかに 出すくだり
出典: 不可幸力/作詞:Vaundy 作曲:Vaundy
それでは冒頭の歌詞から順に紹介していきましょう。
ここでは主人公が日々に対して閉塞感を感じているのが伝わってきます。
心に感じているのはどこへ行こうとも消えない手立てがないような感覚。
2行目の後半の言葉は「憤り」とのダブルミーニングでもあるのでしょう。
息をすることで生を実感していながら、今自分のいる状況に憤りも感じている。
そんな彼の相反する感情がこの言葉によって表されているのが感じられます。
その相反する感情を表出させることで自分自身を落ち着かせながら、閉塞感に抗っているのでしょう。
みんな苦悩している
そんな劣等も葛藤もみんな持ってる
その理由は同じ
え?
出典: 不可幸力/作詞:Vaundy 作曲:Vaundy
この世界に対しての不満を語る主人公。
しかしその不満というのが自分だけのものではないのだと彼は分かっています。
社会で生きる全ての人々が何かしらの苦悩を持ちながら生きている。
この世界が苦しみに満ちていることを彼は憂いているのかもしれません。
そしてその苦悩の根底にはどれも共通の理由が存在しているのです。
果たしてその理由とは一体どのようなものを指しているのでしょうか。
このパート以降の歌詞で、主人公は徐々にその本質について言及していきます。
欲望と理想
欲望の理由
Ah
なんでもかんでも欲しがる世界じゃない?
また回る世界に飲まれている
それも理由は同じ
膨らんだ、妄想、幻想、真相を、いやあれを探してる
出典: 不可幸力/作詞:Vaundy 作曲:Vaundy
人間というものが欲深いものであるということを彼はよく理解しているようです。
自分さえ例外でないと思っているのかもしれません。
前述のパートで彼が言及した苦悩というのも、ここで歌っている欲望と深く関係しているのでしょう。
何故なら、この欲望も苦悩と同じ理由によって生じているからです。
2行目の「世界」という言葉が意味しているのはこの資本主義社会のことではないでしょうか。
何をするにもお金が必要な社会の構造に私たちはいつの間にか飲み込まれています。
そしてそんな社会の中で私たちはいつも「あれ」を探しているのです。
彼のいう「あれ」とは一体何を表しているのでしょうか。