残ったもの
今も部屋には降りだした雨の匂いがしてる
出典: NG/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara
そして、主人公の部屋はいまもなお雨が降っているような気配が漂っています。
実際に雨が降っているかは歌詞には書いてありません。
彼が後悔の念にかられ部屋に沈んでいく空気を、雨が降り出す時の重い空気に例えているのだと思います。
彼が自分に対して一番責めていることは、自分の愚かさに気づかなかったことではないでしょうか。
それに気づいた今、彼の心には再び雨の空気が後悔の想いと共に流れ込んでくるのです。
おわりに
ラストの雨のフレーズは味わい深く、とても印象的です。
年齢を重ねるほどに、主人公の心境に共感を感じていく方も多いのではないでしょうか。
なぜなら、間違いが解るのには長い時間を要する(こともある)のです。
解るとは、計算式が解けることではなく、ある日突然雨の気配に包まれるということなのかもしれません。
このタイムラグが憎らしい。
なんとももどかしい人間のジレンマなのではないでしょうか。
主人公を笑える人はそんなにいないと思います。
「そうだよね。」と焚き火でも囲んで語り合いたい気持ちになることでしょう。
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