「風のプロフィール」が届く

東京スカパラダイスオーケストラ【風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部】歌詞の意味を解釈!の画像

2019年11月20日発表、東京スカパラダイスオーケストラの30周年記念アルバムツギハギカラフル」。

このアルバムのリード・ソングになっている「風のプロフィール」が話題です。

習志野高校吹奏楽部との共演で雄大な演奏を収めた楽曲になっています。

吹奏楽に汗水たらして邁進しているすべての若者たちを鼓舞するような楽曲で落涙しそうです。

歌詞の方も明らかに若いリスナーに焦点を合わせたものになっています。

人生の中で大切にしたい価値って何だろうという問題に大先輩が答えてくれました。

若いリスナーだけでなく今を生きる人たちの勇気になるように演奏され歌われます。

人と人が仲良く時代を切り拓いてゆくことが困難になりました。

それでもスカパラが指し示すものは信頼というものの大切さです。

歌詞の意味を解説しますが曲のスケールに合わせて壮大な記事になるでしょう。

それほどに人の胸のうちの深いところへと訴えかける名曲になります。

スカパラの30周年を祝うために相応しい楽曲です。

それでは実際の歌詞を御覧いただきましょう。

神様はいる

内なる人が見てくれている

東京スカパラダイスオーケストラ【風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部】歌詞の意味を解釈!の画像

風のプロフィール
気づかれないような
優しさで譲るときも
誰かどこかで
見ている筈さ
神さまはきっと
人の心の中

出典: 風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部/作詞:谷中敦 作曲:NARGO

たとえば電車の中で困っている人に席を譲るような一瞬

誰かに褒められたくてした行為ではないのにいい格好をしてという内なる声が聴こえます。

それでも若者は席を譲って電車の中で立ちながら目的地を目指すのです。

もともと若者は電車の中で座るなという厳しい意見もあります。

それではなぜ電車の中に椅子が設置されているのかも分からなくなるでしょう。

こうした非合理的で不条理な声に耳を貸す必要はありません

しかしどこからかこうした心のない声が聴こえてしまうのが今の荒んだ日本社会です。

超越しない神様の不思議

東京スカパラダイスオーケストラ【風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部】歌詞の意味を解釈!の画像

こうした理解のないような声に見舞われた局面でも神はすべてを見ているから安心して

スカパラはそう歌ってくれるのです。

神様といっても天にまします創造主のような遠い存在ではありません

誰しもの心のうちであなたを見てきていてくれるような存在のことを強調します。

この神様はキリスト教などの特定の宗教の教義に出現する超越的存在とは矛盾するのです。

超越的ではなくもっと身近な存在であって人の心を支えてくれるものの声に耳を傾けてと歌います。

人間の行動規範というものの中でもこうした内なる存在というものの影響は大きいです。

正しい行動を見つめてくれるこの存在は悪しきことをなす際に悲しい顔を浮かべるでしょう。

私たちは折に触れてこの存在と軽い会話をします。

今の自分の行動は正しかっただろうか間違っていたかを絶えず問いかけていい存在です。

この存在の正体は分かりません。

しかし不思議なことに多くの人がこうした存在が胸のうちに居座っていることを感じています。

個人の胸のうちからは出ないので超越者ではありません。

しかしスカパラはこうした不思議な声を発する存在こそを神様と呼ぶのです。

希望の虹へ

泣き暮らした先には

東京スカパラダイスオーケストラ【風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部】歌詞の意味を解釈!の画像

涙を拭いたら
虹が見えるさ
誰でもすぐ信じる君は
何故か自分のことだけ信じないから
君のこと ぼくが 信じよう

出典: 風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部/作詞:谷中敦 作曲:NARGO

虹は雨上がりに立ち現れます。

希望の徴と捉える人もいれば凶兆と捉える人もいるでしょう。

この「風のプロフィール」の中ではもちろん希望の象徴です

泣き暮らしてしまうような悲しい出来事に見舞われたとき私たちは涙を流します。

泣き暮らす期間がどれくらいになるかはその人次第でしょう。

また被った悲しみの深さにもよるはずです。

しかし明かない夜はないように、いずれ人は悲しみから立ち直って涙を拭きます

そのときに虹が現れると「風のプロフィール」は歌うのです。

現実の悲しみはここまでうまくできてはいません。

しかしスカパラは「風のプロフィール」を徹底して希望の歌に変えます

なぜでしょうか。

自己評価が低い人へ

東京スカパラダイスオーケストラ【風のプロフィール feat.習志野高校吹奏楽部】歌詞の意味を解釈!の画像

次に現れるのは優しい心を持った青少年です。

彼・彼女たちの心のひとつひとつに優しく語りかけます。

他の人のことならばいいところをすぐ見つけられるような人。

でも自分のいいところを見つけることは下手な人がいます。

自分の社会的な存在とその価値をあまりに低く見積もってしまうのです。

優しい心を持った人にこそありがちな傾向でしょう。

また若いゆえに実績を持たない人もこうした傾向を持ちます。

スカパラはこうした人々を救済しようとするのです。

大きな救済はできませんが、僕が君を信じてあげると歌います。

あのスカパラが私を見ている。

吹奏楽を志す多くの若者の希望になりえるでしょう。

今は社会に出て最近は楽器の手入れもしていないなと思う人にも訴えかけます。

ああ、スカパラって30年も私たちにこうして歓びを届け続けてくれたと振り返るのです。

若さで気付けない