AKB人気を決定づけた一曲

ファン層の拡大に貢献

【桜の栞/AKB48】卒業が切ない…歌詞を徹底解説!一歩踏み出しても「忘れない」気持ちは希望になるの画像

ファンが熱狂的に支持するAKBグループの曲は「ネ申曲」と呼ばれています。

「恋するフォーチュンクッキー」などはまさにそれ。

そして「桜の栞」も間違いなくそれに加わります。

リリースは2010年2月17日なので、すでに8年半以上も前の曲なんですね。

月日が経つのは早いものです。

前作の「RIVER」に続いてオリコン週間シングルチャート1位になり、デイリーチャート1位は初めてでした。

その結果、AKB人気が一気に広がることになったわけです。

桜ソング

2000年代に桜をテーマにした曲がブーム

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J-POPの桜をテーマにした曲、いわゆる「桜ソング」が盛んに作られるようになったのはいつ頃なのか。

クリスマスソングと並び桜をテーマにした楽曲は春の定番で、卒業ソングとしても親しまれています。

よく知られている桜ソングをいくつかピックアップしてみましょう。

森山直太朗「さくら(独唱)」(2003年)

大塚愛「さくらんぼ」(2003年)

中島美嘉「桜色舞うころ」(2005年)

アンジェラ・アキ「サクラ色」(2007年)

だいたい2000年代に入ってからです。

AKBファンならご存知でしょうが、「桜の栞」以外にも桜ソングがあります。

「桜の花びらたち」(2006年)

「桜の花びらたち2008」(2008年)

「10年桜」「桜色の空の下で」(2009年)

「桜の木になろう」(2011年)

このうち「桜の花びらたち」はインディーズながらAKB48のデビュー・シングルです。

AKB48も桜ソングのブームを視野に、最初から楽曲の重要なテーマにしていたことになります。

ちなみに「桜の花びらたち」を作曲した上杉洋史は「桜の栞」も手掛けています。

2006年以降、毎年のようにリリースされたAKB48の桜ソングは「桜の栞」でピークを迎えます。

こうして見ていくと、数年がかりで桜ソングのビッグヒットを作り上げていったことになります。

曲調を変えて試行錯誤を繰り返しながら、たどり着いたのが「桜の栞」だったわけです。

全員で歌うコーラスが美しい

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センターポジションを据えたそれまでのスタイルを変えて、メンバー全員の合唱という大胆さ。

プロデュースする側も冒険だったのでしょう。

たしかミュージックステーションだったと思います。

調べたら2010年2月19日の放送でした。

ダンスもなくセンターもおらず、ずらりとメンバーが並んだ合唱に圧倒された覚えがあります。

合唱だけなのがかえって新鮮で、女性コーラスの魅力を最大限に生かした素晴らしい曲です。

合唱曲として初のオリコンシングルチャート1位に輝いたのも分かります。

岩井俊二監督作品のMV

ドキュメンタリータッチとファンタジーが交錯

「桜の栞」MVは映像作品として完成度が高いです。

それもそのはず岩井俊二が監督ですから。

「リリィ・シュシュのすべて」(2001年)や「花とアリス」(2004年)を観た人ならわかるでしょう。

少女を撮らせたらピカ一映画監督です。

映像はMV撮影の準備を進める舞台裏から始まります。

メンバーが撮影のために着物と袴を着付けする様子が映し出されます。

歌が始まるとメンバーの素の姿を捉えたシーンが合間に差し挟まれています。

制服姿のメンバーが送る在校生、着物姿のメンバーは送られる卒業生。

背中に付けた天使の羽は旅立ちを表すファンタジーな象徴か。

こうしたドキュメンタリータッチなシーンを取り入れている所に岩井監督の個性が出ています。

栞が意味するもの

輪唱で表現される効果的な歌詞

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本題の歌詞解説に入ります。まずは1番の歌詞から。

春のそよ風が
どこからか吹き
通い慣れた道
彩りを着替える

喜びも悲しみも
過ぎ去った季節
新しい道
歩き始める

出典: 桜の栞/歌詞:秋元康 作曲:上杉洋史