the pillowsの「Funny Bunny」とは?

「Funny Bunny」は、1999年12月2日に発売されたthe pillowsの8枚目のアルバム「HAPPY BIVOUAC」に収録されている楽曲です。

the pillowsメンバー脱退や活動休止、音楽性の路線変更など、幾度も波乱を乗り越えオルタナティブに原点回帰したアルバム「NOOK IN THE BRAIN」を2017年3月8日に発売、ライブ会場・通販限定シングル「どこにもない世界」を2017年5月5日にリリースし、改めてそのバンドの歴史と音楽に注目する機運が高まっています。

そして、中でも「Funny Bunny」という曲は、様々なアーティストからカバーされ、アニメファンからもthe pillowsが注目されるきっかけとなった楽曲です。

その理由とは...?詳しく見ていきましょう。

様々なアーティストによって歌い継がれる名曲「Funny Bunny」

1999年にthe pillowsがアルバム「HAPPY BIVOUAC」をリリースしてから、2004年にはELLEGARDEN、そして、2011年にはアニメ化もされた人気漫画、SKET DANCE内のバンドとして結成されたThe Sketchbookによってカバーされています。

現在は活動休止中ですが、細美武士がボーカルをつとめる人気バンドELLEGARDENによるカバーで話題となったのはいうまでもなく、The Sketchbookによるカバーでは音楽好きだけでなく漫画好き、アニメ好きの層のファンも獲得することとなりました。

さらに2014年にはBase Ball Bearによってカバーされたほか、2015年には名曲を彼女たちなりに歌とダンスで表現していく「名曲ルネッサンス」の第5弾として、アイドルネッサンスによってカバーされています。

上の動画はYouTubeにアップされていたアイドルネッサンス「Funny Bunny」公式MVです。

もともとシングルカットされていないにも関わらず、Funny Bunnyが繰り返しカバーされている、まさしく世代を超えて歌い継がれる名曲だとわかりましたね。

ここからは、さらにその魅力に迫るべく、歌詞を詳しく見てみましょう。

the pillows「Funny Bunny」の歌詞解釈

the pillowsの「Funny Bunny」は特に歌い出しからサビ前までの歌詞がファンの間でも感覚で作られているから推し量るのは難しいのではないかと言われています。

しかし、僭越ながら今回は全ての歌詞を徹底的に解釈してみました。

すると、難解と言われている冒頭の歌詞からも、夢を追いかけるある一人の女の子と、「僕」のロマンチックなエピソードが見えてきましたよ。

そして、二人は離れ離れになってしまい...、続きは歌詞解釈を読んでいただければと思います。

「僕」の前から「キミ」が消えた理由を示唆する冒頭歌詞に注目!

王様の声に逆らって
ばれちゃった夜、キミは笑っていた

オーロラにさわれる丘の上
両手をのばして、僕を誘っていた

ほどけてバラバラになったビーズ
キレイだねって、夜空にプレゼント

出典: https://twitter.com/0211Revolution/status/518737314952904704

まずは一節ずつその意味を考えて背景を割り出していきましょう。

「王様の声に逆らってばれちゃった夜」とは、権力者に逆らい、それがバレてしまったということ。

そして、「キミ」はそれはとても危険なことであるはずなのに「笑っていた 」ということで、反対されても自分の信念を貫く「キミ」という人の姿が描かれた歌い出し。

「オーロラにさわれる」ような美しく小高い「丘の上」で両手を伸ばして「僕」を誘ったということから、「キミ」は女の子であるようにも聴こえますね。

オーロラの柔らかいウェーブ状から、そこから女の子の長い髪の毛が横たわって波打っている姿を連想すると、オーロラの浮かぶ美しい「夜空」は「キミ」のことだと解釈できます。

このことから、「王様」が、「キミ」の厳格な父親だとすると、こんなストーリーが見えてきませんか?

自分の信念を貫くために父親に逆らった女の子は、それがバレて怒られた時に、もしかしたら暴力を振るわれたのでしょう。

「僕」からのプレゼントである、もらったビーズのアクセサリーをバラバラにされてしまったのです。

怒られて辛いはずなのに、そのことを笑いながらも、バラバラになってしまったことを残念そうにする様子を見せる「キミ」。

そんな「キミ」の髪に「僕」はもう一度バラバラのビーズを「プレゼント」したのです。

すると、横たわると美しい「夜空」のような「キミ」の髪に、散らばったビーズはキラキラと散らばる星空のようで、「僕」は「キレイだね」と言ったのです。

そんな「僕」の優しさにきっと「キミ」はさらに笑みを深めたことでしょう。

ストーリーの始まりが見えてきましたね。

しかし、「キミ」が父親に暴力を振るわれてまで貫きたかった信念とはなんだったのでしょうか。

続きも見ていきましょう。

最後まで本音を見せないまま、「キミ」はある日突然いなくなった

道化師は素顔を見せないで
冗談みたいにある日居なくなった

世界は今日も簡単そうにまわる
そのスピードで涙も乾くけど

出典: https://twitter.com/sketchbook_bot/status/927103544817197061

最後まで「素顔を見せない」ままだった「道化師」とは、辛い時も本音を出さずに常に笑顔でいた「キミ」のことを指しているのでしょう。

この後の歌詞からわかりますが、「キミ」が「王様」のように強い父親に逆らっても貫きたかった信念は、叶えたい「夢」だったのです。

父親に逆らって自分の夢へと突き進もうとした「キミ」は、前の歌詞に出てきたある日の夜、ついに父親と衝突し、理解を得られないと悟って、家を出てしまったのでした。

「僕」は、何も言わずに姿を消してしまったため、冗談だと言ってすぐに「キミ」が戻ってきてくれるのではとさえ思っていました。

しかし、世界は「キミ」を失ってもいつものように回って、時間はすぎるばかり。

その目まぐるしさに泣き続けることもできないのですが、「僕」の中では「キミ」の存在は大きく、別れの悲しみを忘れることはできないのでした。

夢が叶うのは誰かのおかげじゃなくて、「キミ」が頑張ってきたから

キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで
走ってきた

出典: https://twitter.com/thepillows_bot/status/927363962428993536