この場面で出ている音も祭典を盛り上げるために働いている者たちのものです。
働いても働いても終わらない支配によって、悲しい事態を繰り返しているのでしょう。
きっと何も知らない他国の人や偉い人は、この音を太鼓と勘違いしているのではないでしょうか。
そして見て見ぬ振りをしているものもいるでしょう。
しかしほとんどが知らないまま誰かを苦しめているという状況なのだと考えられます。
何も知らないからずっと楽しく過ごせている能天気な人間はどの世界にも存在している。
そのままではいけないのだと訴えている音でもあるのだと感じることができます。
立ち上がる
恋に落ちてしまう2人
あゝ 盛り上がれない 我らは非国民
かよわきは 乙女の罪
出典: ネオ東京唱歌/作詞:志磨遼平 作曲:志磨遼平
この場面から、ある少女が登場します。
その少女とは歌劇団に所属している「すみれ」です。
彼女はBMMの支配している世界で苦しみながら生活しています。
1行目にある歌詞は、実態を知っているからこその意見なのでしょう。
しかし苦しめられているのにも関わらず、特権階級の学生と恋に落ちてしまうのです。
2行目にある「罪」とは、この2人が身分違いであることでしょう。
こんな世界は大嫌いだけれど、あの人を嫌いになることができない。
このような「すみれ」の心情を読み取ることができます。
誰にも縛られない
おとなが決めないで
今 いいところなの
いつも 守るふりをして
奪うでしょ
出典: ネオ東京唱歌/作詞:志磨遼平 作曲:志磨遼平
恋に落ちてしまった2人は「おとな」といわれる偉そうにしている人に立ち向かいます。
1〜2行目の歌詞は2人が身分違いの恋をしているということに対しておとなが下した命令を反対したもの。
そんなこと言われても、私たちは誰にも縛られない。
このような意味を読み取れます。
そして3〜4行目にある歌詞は、従っても願いを叶えてくれないというような内容です。
どんなに頑張って働いても身分が変わることはない。
彼女は、反抗したとして2度と彼には会うことができなくなってしまうのではないかと考えたのです。
だからこそ立ち向かおうとしているのだと読み取ることができます。
あなたには従わない
わたしのこの国で
わたしが代表
“メダルあげる”とかやめて
わたしが決めるの
出典: ネオ東京唱歌/作詞:志磨遼平 作曲:志磨遼平
自分は自分らしく生きていきたい。
1〜2行目は、このような意味です。
3行目の歌詞にある「メダル」とは一体どのようなものなのでしょうか。
それは特権階級と同じような身分のことを指すのではないかと考えられます。
すみれと涅男は、労働者たちに真実を伝え目を覚まさせたのです。
そのおかげで労働者たちは苦しみから解放され、特権階級の者たちに抗議をします。
多くの人々が辛い労働を強いられていたため全員が寝返るとたちまち形勢が逆転してしまうのです。
その状況を恐れた偉そうな人たちは、リーダー的存在のすみれに対し「メダル」で手を引くよう促します。
しかし今までの経験があるので4行目の歌詞で「従わない」と決めたのです。
この瞬間から
自由にすればいい
勝った負けたばっか やだわ
争って競って やだわ
ここは東京 好きにしてね
出典: ネオ東京唱歌/作詞:志磨遼平 作曲:志磨遼平
みんなで楽しく行えれば、それでいいと思うすみれ。
この祭典で行われている競争は、特権階級の作り出したものです。
勝たなければ処罰を与えるなどプレッシャーを感じている人もいるのかもしれません。
まるで戦争のような競い方を見て、心を痛めたのでしょう。
だからこそ3行目の歌詞にある通り「自由」を求めたのです。
この瞬間から変わる
いのち短し 乙女の恋なら
四年は待てぬ きょうのうた
出典: ネオ東京唱歌/作詞:志磨遼平 作曲:志磨遼平