産まれ変わったのであります これぞ真の姿なのです
今までの時間とはあなた様に巡り会うためのものだったのです
わかります わかるのであります
あなたの偉大さを 巨大さを
理解できる頭脳を与えてくださったことを
ただただここに感謝いたします
出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
この楽曲の醍醐味ともいえるフレーズに突入しました。
演説の様に淡々と語る声色はとても冷酷で、なんだか怖いですね…。
ここでは何かから思考が解き放たれたのがうかがえます。
しかし、その思考は極端で閉鎖的な印象を受け、健全ではないような気がしますね。
読み進めてみましょう。
家族にも話しました ダメでした
はみ出したのは僕の方だなんて言われて
僕は我を忘れて殴りました 殴り続けました
そしたらついに母は動かなくなったのです
あなた様の敵は私の敵であるのです
たとえそれが血の繋がった肉親であろうと 許すわけにはいかないのです
出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「無償の愛」を信じていた母に否定されたのが引き金になったのでしょうか?
ついに暴力に走ってしまいました。
理性を失い衝動的に行動していますね…。
ここに至るまでに強い疑心暗鬼や自己否定の経験がありました。
強い人間不信は自暴自棄な行動を起こす原因になりえます。
とてもショッキングな展開になってしまいましたね。
「正義」の定義って何?
ハナっから 自分に○を 僕に×をつけてさ
頭ごなしに 振りかざした その君の正義の
薄いこと 寒いこと 鼻で笑ってしまうよもう
君じゃないよ 『君の幸』の定義決めた奴は そう
出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「正義」を振りかざして主人公を批判した「君」。
そもそもその「正義」は誰が定義づけたのでしょうか?
ここでは「一般論」や「世間」などといった大衆的な考え方を指し示している気がします。
自分で生み出したわけでもない思想に「薄っぺらい」と言っているのかもしれません。
そう考えると「僕」と「君」、どちらがいわゆる「洗脳状態」にあるのか分からなくなってきますね。
世間一般ではこのような偏った思想の「僕」を「洗脳」と呼ぶのかもしれない。
でも、大多数の意見に「洗脳」された「君」という考え方もできます。
非常に考えさせられますね。
見えてるものより見えないもの
知ってることより知らないこと
の方が多いとは言うが そりゃどうだろうかもう
疑うことばかり うまくなっても
信じたっていいでしょう? 違ってたって何なの?
だからっていいことがあるわけじゃないんだし
幸か不幸かどうかは 僕に決めさせてよ
他は好き勝手 決めさせてやってるんだからさ
出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
1番と2番のサビの歌詞を繰り返し、この曲は終わります。
途中でサビが転調するのでよりインパクトが出ていますね!
この「どちらが洗脳状態といえるか」という考えを持ったうえで歌詞を見ると、更に味が出るのではないでしょうか。
最後に
今回ご紹介した衝撃的な楽曲「洗脳」はいかがでしたか?
一般的に「悪」とされている側の視点からとらえた歌詞は、心を抉るかのような鋭さがありましたね。
野田洋次郎さんの言葉の世界に思わず引き込まれてしまいました。
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