矢沢永吉さんの情報を並べたコンテンツはネット上にゴロゴロあるので、ここでは筆者の視点から彼の魅力と作品へのコメントを加えていきます。
魅力①「芯が太いこと」
「止まらないHa~Ha」より
ボスの代表曲「止まらないHa~Ha」から汲み上げる魅力は「芯があること」!
「矢沢永吉」のワードから想像するイメージはちょい悪フェイスでもありますが、それ以上にインパクトが大きいのは白のスーツとハットでしょう。そのブレのないコスチュームは、まるでSteve Jobsが制服化して取り入れていたIssei Miyakeの黒タートルネックや、Judas PriestのRob Halfordが衣装として取り入れたのスタッズだらけのレザーアイテムのよう。
見た目の統一感だけではありません。自分で決めた「矢沢永吉」の役を誠実に演じ続けることでセルフブランディングを成功させています。
楽曲やアルバム単位で、そのファッションやコンセプトを変え続けるアーティストもいます。コンセプトチェンジは確かに刺激的で話題性もありますが、その分軸がブレてしまい離れていくファンを生んでしまう場合もあります。
しかし、ボス・矢沢永吉さんにはそのようなわかりやすい目新しさがないのです。
この「止まらないHa~Ha」のライブ動画でも、執拗な煽りや派手な演出もなく自分の生身だけでステージに挑んでいます。この芯の太さがファンやリスナーに安心感を与え、彼らの人生の支えにもなっているのでしょう。
魅力②「生涯現役」
「サブウェイ特急」より
豊かな皺を携えながらも、少年のように瞳と汗を光らせ天まで届くかのように背筋を伸ばすボスのお姿。
身体が年齢とともに衰えていくことは生き物である限り避けられない宿命ではありますが、心の筋肉というものは意識次第でいくらでも若い状態で保つことができます。その「生涯現役」の姿勢が、ボスの魅力のふたつめとして挙げられます。
その太陽のごとく輝くロックンローラーとしての姿に、「この人に限界は存在しないのではないか」とまで思わせてくれます。
ボスのように「年輪=貫禄や偉大さ」という意識を一切持たず、歳と経験を重ねるたびにいい表情を魅せる大人になりたいですね。
「アイ・ラブ・ユー,OK」より
そしてこのあたたかみと渋みのある、深煎りコーヒーのような歌声。ボスのバックグラウンドなどを一切取り払って純粋に歌声だけ聴けば、本当に年齢不詳です。
年齢や経験に驕らず、一曲に集中し己に打ち勝つ。一杯一杯丁寧に淹れるコーヒーのように、一曲終わればまた一曲を誠実に歌う。それを繰り返す姿勢が「生涯現役」であり続けるポイントなのではないでしょうか。
この項目でご紹介した二曲は、以下の「アイ・ラブ・ユー,OK」に収録されています。こちらも名盤として捨てがたいのでご紹介。
魅力③「20~30代を全力で生きたからこその貫禄」
「東京」より
出るわ出るわ、矢沢永吉さんの名言。その中でも筆者が好きなのは、こちらの記事で引用されている30代でもらえる「パスポート」の話。
非常に優れた記事ですので、とくに20代の方はしっかり腰を据えて読んでみてください。筆者もこの記事はスマホのホームに保存して、時折読み返すようにしています。