桜と「あなた」
花びらとともに踊る
タッタラタ、ラッタッタ
足を運ぶ
タッタラタ、ラッタッタ
音を鳴らす
タッタラタ、ラッタッタ
春を踊るのさ、桜の下で
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
軽快な足音を鳴らして踊っている様子が浮かんでくるような歌詞です。
主人公は舞い散る桜の花びらとともに、軽快に踊っています。
桜は春の風物詩であり、春を象徴するものです。
そして、春といえば出会いと別れの季節でもあります。
特に、別れや新たな出会いが訪れるのは、桜の咲いている3月下旬から4月上旬の頃です。
桜を見て、過去の出会いや別れを思い出すこともあるでしょう。
主人公はそうした出会いや別れを、踊りながら思い出しているのではないでしょうか。
花びらと私
花びらが宙に浮いた 舞った一足のサンダル
身体ごと宙に浮いて 飛んでしまえたら私は
はらはらはら
一人で踊ってるだけ ただそれだけだ
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
1番のサビの部分で、歌い出しと同じ歌詞が繰り返されています。
主人公は桜の下で踊り、過去の出会いや別れに思いを馳せているようです。
それはおそらく「あなた」との別れではないでしょうか。
会えなくなってしまった「あなた」の元へ飛んでいきたい。
そんな思いが込められているように感じられます。
しかし、それは現実には叶わないことなのでしょう。
だから宙を舞ってどこまでも飛んでいける花びらとともに、ただその場で踊ることしかできないのです。
思い出を胸に
周りも気にせず
並木を抜けるほど歩く人の
冷めた視線も気にならなくなる
足がもつれても、髪が解けても何か楽しかった
背を曲げて生きてる私じゃないみたいだ
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
桜並木を踊りながら通り抜けている主人公ですが、周りは主人公に冷たい視線を向けているようです。
道端で踊るという行為は、きっと多くの人がしないことでしょう。
これと同じように、他の人がしないことをすれば、周りから冷めた目で見られてしまうことはよくあります。
主人公はそんな視線を向けられながらも、踊り続けるうちに気にならなくっているようです。
踊っている間にステップを踏み外して不恰好な動きになることもあったでしょう。
さらに、結んでいた髪が解けてぐしゃぐしゃになってしまっているようです。
綺麗に踊れていなくても、主人公はかまわず踊っています。
そうして踊る自分自身に、主人公は自分じゃないようだと思っているようです。
おそらく主人公は、これまでは人の目を気にして生きてきていたのでしょう。
誰かの注目を集めることを嫌い、背中を丸めて、おとなしく過ごしていたのかもしれません。
そんな今までの自分からは想像できないことをしていると、主人公は思っているようです。
花びらと思い出
花びらの落ち方にだって
あなたとの思い出が溢れる
うるさいくらいに私を覆うそれを、
あなたに教えないと
出典: 花降らし/作詞:n-buna 作曲:n-buna
「あなた」との思い出は、桜と深く関係していたようです。
ひらひらと舞い落ちる桜の花びらに、主人公は「あなた」との思い出を思い出しています。
その思い出は、溢れるほどたくさん主人公の心の中にあったようです。
主人公と「あなた」は、たくさんの思い出あるほど付き合いが長かったのではないでしょうか。
もしくは、付き合いの年数に関係なく、主人公にとってとても大切な人だったのだと読み取れます。
花びらが体を覆うくらいに舞い散るほど、主人公の中で思い出が蘇ります。
そうして自分が思い出していることを、「あなた」に教えたいと思っているようです。