「Don't Wanna Lie」
「Don't Wanna Lie」は、49thシングルとして2011年6月にリリースされました。
このシングルのリリース翌月にはオリジナルアルバム『C’mon』がリリース、このアルバムには「Don't Wanna Lie」はもちろん、2nd beatの「Homebound」も収録されました。
この年はシングル2枚、そしてアルバムリリース、それに伴うツアーと、随分と積極的に活動が行われた年でもありました。
前年2010年は、稲葉浩志も松本孝弘もそれぞれがソロ活動を展開し、B'zとしての活動はほとんど行われていなかったことにも関係しているのでしょう。
B'zは定期的にお互いがソロ活動を行うことによって、自分のやりたい音楽はそこで突き詰め、そして2人揃うとB'zとしての音楽を作り出すことにしているようです。
違う人間なので音楽性やこれからやりたいことももちろん違うでしょう。
それをお互いがバンドに持ち込むとバランスが取れなくなり、バンドとしてもうまくいかなくなることも多いと思います。
個々のやりたいことはソロで、そしてB'zではB'zとしての音楽をやる。
2人ともがそう割り切っているからこそ、長い間ずっと一緒に第一線で走り続けることができるのでしょう。
B'zとして日本の音楽史に残るものを数多く作り出してきた彼らは、ソロにおいてもやはり結果を出しています。
2010年はソロ活動に専念
松本孝弘はラリー・カールトンと共演
この2010年のお互いのソロでは、まず松本孝弘はアメリカを代表するジャズギタリスト、ラリー・カールトンとの共演を行い、共同名義でアルバム『TAKE YOUR PICK』をリリース。
ツアーも行われました。
しかもこのアルバムは、音楽界の権威、グラミー賞「最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバム」を受賞したんですよ。
これは当時、かなり大きなニュースとなりました。
ジャズ界の大御所であるラリー・カールトンとの共演ですら並大抵ではできない凄いことですが、さらにその作品でグラミー賞を受賞したのですから、無理もないことですね。
ちなみにこの縁が生まれたのは、2人の使用しているギターから。
松本孝弘が主に使用するギターはギブソンのレスポール。ギブソンは松本孝弘のシグネチャーモデルも作成しています。
そしてラリー・カールトンの愛器として有名なのが、ギブソンのES-335。ラリーの代名詞ともいわれる、ギブソンの誇る名器です。
共演者を探していたラリーに松本孝弘を紹介したのがギブソンだったとか。
楽器が生んだ縁、というところでしょうか。
余談ですがギブソンは先日経営破綻したというニュースが流れましたが、この先どうなっていくのか、心配ですね。
稲葉浩志もアルバムリリース、スラッシュと共演も
そしてこの年はもちろん稲葉浩志もソロ活動で活躍しました。
ソロとしては4枚目となるアルバム『Hadou』をリリース。このアルバムはオリコン週間アルバムチャート1位に輝き、ソロとしても十分な貫禄を見せつけました。
作詞・作曲ともに本人が手掛けているので、ほぼすべての楽曲を松本孝弘が手掛けるB'zとは全く違った音楽性を見せており、稲葉浩志のヴォーカルも違う色を見せています。
より稲葉浩志の本質に近いような、パーソナルな歌詞も多く、メッセージ性の高さが印象的な作品が揃っています。
『SUMMER SONIC 2010』東京公演では、Guns N' Rosesのギタリスト、スラッシュと共演する姿も披露してくれました。
劇場版『名探偵コナン 沈黙の15分』主題歌に!
この「Don't Wanna Lie」は、劇場版名探偵コナンの15周年記念作品『名探偵コナン 沈黙の15分』の主題歌として書き下ろされました。
名探偵コナンシリーズとB'zは縁が深く、これまでも劇場版3作品の主題歌、TVアニメのオープニングとしても2作品を提供しています。
それだけに、力を入れて制作に取り組んだとB'zは語っています。
人生の勝負どころで嘘はつきたくない、そんな想いを込めた曲になったようです。
PV
フル歌詞をチェック!
ではここから、「Don't Wanna Lie」の歌詞をフルでご紹介。
人間(ひと)にはそれぞれさまざま ゆずれぬものがあり
それを守りぬくためなら 戦うのが本能
僕ときたらごまかしつづけ もう何年たつだろう
Don't wanna lie Don't wanna lie 生きてると 感じていたい
I wanna try I wanna try この心に ムチ打ってみよう
明日を変えるモーメント それが今かもね
出典: Don't Wanna Lie/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
自分の信念や誇り、夢など、たしかにみんな持っていたはずのもの。
社会に出て、忙しい毎日を送り、いつしかそういったものは忘れてしまってはいないでしょうか。
もしくは、忘れてはいなくても、心のどこかに置き去りにして、見ないようにしているのかもしれません。
なぜなら、今を生き抜いていかなければいけないから。
でも、そう言いながらも、心のどこかに流されて生きてきたことを感じている自分もいます。
本当に夢はかなわなかったのか?それを実現するために戦ったのか?
その誇りを守るために、がむしゃらになったことがあったのか、ふと考えてしまうことはないでしょうか。