「生きて」に込められたメッセージとは?
「生きて」は、Aqua Timezが2014年12月3日にリリースした通算17枚目となるシングル。
ストレートに伝えようとする歌詞が魅力の彼らですが、今回もその真っすぐなメッセージは心に響くものがあります。
ところが今回の楽曲はただ「真っすぐ」なだけではありません。
太志がかつての自分を振り返り制作したこの「生きて」という楽曲。
一般的に当たり前だと思われている事柄に次々と切り込み、新しい物事の見解を与えてくれるはずですよ!
「生きて」のPVもチェック
歌詞の世界感にあわせた演出
全体的に華やかさを抑えた闇と光の描写ですね。
特に前半は真っ暗な闇の中で歌っており、閉鎖感が伝わってくる印象を受けます。
この楽曲は段々と考えを整理していき、ラストでガツンとメッセージを詰め込んでくれるのが特徴。
そんな歌詞に合わせて、徐々にライトの割合を増やしていっているのかもしれませんね。
また、曲全体としてメロディーはキャッチ―で明るめですが、内容は真剣。
映像では歌詞の内容に合わせた明るさを極力抑えた演出にしているのだと思います。
様々な経験の裏に眠っている「素晴らしい」こと
この曲に込められた大切なメッセージとは?
生きてゆくっていう事は
涙がこぼれるほど
それほどそれほど
素晴らしいものだろう
出典: 生きて/作詞:太志 作曲:太志
まずは真っ先にこの曲に込められたメッセージから始まりました。
生きていく上では様々な涙を流すことがあります。
悲し泣き、悔し泣き、うれし泣き…。
涙を流すという行為にいいイメージを持っていない人もいるのではないでしょうか?
しかしここでは涙を流すほど「素晴らしい」と言っています。
これはどんな意味合いなのでしょうか?
歌詞を読み進めていきましょう!
当たり前に過ごす日々にも幸せがある
家族や友達と
喧嘩したり仲直りしたりして
おばあちゃんが握り返してくれる
手を離したくなくて
やがて来る別れを子供みたいに
怖がる僕たちは
幸せもんじゃないいかって思うんだ
誰かを想い淋しくなること
それほど人を好きになれること
会いたい人がいるということ
それがもう逢えない人だとしても
出典: 生きて/作詞:太志 作曲:太志
前半では当たり前に過ごしたいくつかの場面を思い起こしていますね。
それは楽しいことばかりではないようです。
しかし、全てひっくるめて「そう思えることこそが幸せ」と歌っています。
普段の日常では表面的な感情に捕らわれてしまいがち。
好きと思ったり、難いと思ったり、別れを寂しいと感じ恐れたり…。
それはそれで精一杯に取り組んだうえで、この楽曲では「貴重な経験をできることこそが幸せなんだ」といっているのでしょう。
過去の記憶は印象が強固に残ることも多いと思います。
筆者自身、ネガティブな経験はなかなか克服できなかったりすることも。
でも、全てを受け入れた上で「生きていてよかった」と思うことができたら、一番の幸せなのかもしれませんね。
とても難しいテーマを軽やかに歌っている様も印象的だなと感じました。
生きることは切なくて素晴らしい
生きてゆくってゆうことは
涙がこぼれるほど
それほどそれほど
切ないけど
生きてゆくっていう事は
涙がこぼれるほど
それほどそれほど
素晴らしいものだろう
出典: 生きて/作詞:太志 作曲:太志
前半では生きることは涙をこぼすほど切ない。
後半では生きることは涙をこぼすほど素晴らしい。
同じ「涙を流す行為」に掛け合わせて2通りの「生きること」の解釈をしていますね。
この言葉遊び的な要素もAqua Timezらしくて素敵です。
「切ない」などというネガティブなイメージがもたれがちな涙。
その一般的な概念から入り「でも素晴らしいんだよ」と展開してくれる点が、実際に語り掛けてくれるような印象すら受けますね。